米国証券取引委員会(SEC)は3月29日、ニューハンプシャー州に拠点を置くLBRY(ライブラリ)に対して、未登録の証券を販売したとして起訴した。
SECによると、LBRYは2016年7月から2021年2月にかけて、米国在住の投資家に対してLBRY Creditsと呼ばれるデジタル証券を販売したという。LBRYがデジタル証券の販売に際して登録書を提出しなかったため、1933年の証券法第5条(a)および第5条(c)に抵触したと説明されている。LBRYは、未登録証券の販売により少なくとも1,100万ドルの売上をあげたという。
LBRYは、分散型コンテンツ共有プラットフォームだ。クリエイターや利用者は、P2P形式でコンテンツの保存や共有、ダウンロードを行うことができる。これまでに、2019年のYouTubeが暗号資産関連のコンテンツを削除した際などに話題を集めていた。LBRYでは、LBRY Creditsを使用することで利用者はコンテンツを使用することが可能だ。
SECが過去の未登録証券の販売を起訴するのはこれが初めてではない。これまでも、EnigmaやTelegramといったプロジェクトを起訴しており、いずれもプロジェクト側の敗訴に終わっている。
直近では、未登録証券であるXRPを独占的に販売し、多額の売上を得たとしてリップル社を起訴し大きく話題となった。この問題は未だ決着を迎えていない。
LBRYは、今回の訴訟について次のようにコメントした。
「今回のSECによる訴訟は、暗号資産業界全体にとって大きな脅威です。過剰な規制の下にはイノベーションは生まれず、ほぼ全てのトークンが有価証券とみなされる可能性があります。これは、業界に不確実性と混乱をもたらすでしょう。」
SECは、今回の提訴に伴いLBRYが更なるトークンを販売することを禁止する命令を要求している。また、LBRYが一部の投資家に対してLBRY Creditsを秘密裏に提供することで、マーケットメイカーとして機能するよう要請したと主張した。
【参照記事】LBRY, Inc. (Release No. LR-25060; Mar. 29, 2021)
株式会社techtec リサーチチーム
最新記事 by 株式会社techtec リサーチチーム (全て見る)
- 米Coinbase、NFTマーケットプレイスのβ版をリリース - 2022年4月25日
- イーサリアムが初の年間レポートを公開、16億ドルの財源やETH総発行量の0.3%を保有していることが明らかに - 2022年4月21日
- Meta、メタバースでのクリエイター向け販売手数料を47.5%に設定 - 2022年4月20日
- イーサリアム「The Merge」の実施が2022年後半に延期 - 2022年4月19日
- 「フォートナイト」運営のEpic Gamesにソニーが大型出資、メタバース事業に注力へ - 2022年4月15日