仏電機大手のシュナイダーエレクトリック(ティッカーシンボル:SU)とシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスは2021年12月8日、太陽光と蓄電池を組み合わせたハイブリッド・マイクログリッド(小規模電力網)技術を活用し、持続可能でレジリエンス(耐災性)の高いエネルギーソリューションを提供する合弁会社GreeNextを設立すると発表した(*1)。
GreeNextでは展開速度を高めるべく、標準化されたマイクログリッド技術を利用する。同社のソリューションはエネルギー・アズ・ア・サービス(EaaS、#1)のため、多額の初期投資や高価なインフラのアップグレードを行う必要がない。また同社によると、再生可能エネルギーを活用した発電により、GreeNextのソリューションを利用する顧客は、二酸化炭素(CO2)排出量の削減や電気料金の値下げに加え、より耐災性を向上させたエネルギー供給を受けることができるという。
GreeNextはまずインドで実証プロジェクトを行い、その後東南アジアへサービス拡充を図る方針だ。
シュナイダーエレクトリックは電力管理や自動化機器に強みを持つ。マイクログリッドの構築においても世界中で豊富な実績を誇る。脱炭素の流れに乗って投資家からの評価を高めており、時価総額は10兆円(1ドル=115円換算)を上回っている(*2)。これは同じ電機産業に属する日立製作所(銘柄コード:6501)の1.6倍ほどだ(*3)。
シュナイダーエレクトリックはサステナビリティの観点で世界各国の企業を評価する2021年版「世界で最も持続可能な企業100社(グローバル100)」でトップに立った(*4)。省エネ技術の提供を行うことでグリーン銘柄に位置づけられる同社の動向に注目したい。
| 順位 | メーカー名 | 国籍 | 事業 |
|---|---|---|---|
| 1 | シュナイダーエレクトリック | フランス | 電機 |
| 2 | オーステッド | デンマーク | 電力 |
| 3 | ブラジル銀行 | ブラジル | 金融 |
| 4 | ネステ | フィンランド | エネルギー |
| 5 | スタンテック | カナダ | コンサルティング |
| 6 | マコーミック・アンド・カンパニー | 米国 | 調味料 |
| 7 | ケリング | フランス | アパレル |
| 8 | メッツォ・オートテック | フィンランド | 産業機械 |
| 9 | アメリカン・ウォーター・ワークス | 米国 | 水道 |
| 10 | カナディアン・ナショナル・レールウェイ | カナダ | 鉄道 |
(#1)EaaS…電気やガスを単体で供給するのではなく、設備やメンテナンスなどと組み合わせてサービスとして提供する。
【参照記事】*1 シュナイダーエレクトリック「Schneider Electric and Temasek Launch GreeNext to Provide Sustainable and Resilient Energy-as-a-Service」
【参照記事】*2 Yahoo Finance「Schneider Electric S.E. (SU.PA)」
【参照記事】*3 Yahoo!ファイナンス「(株)日立製作所」
【参照記事】*4 コーポレート・ナイツ「2021 Global 100 ranking」
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