株式会社SBI証券は10月1日、証券会社5社と共同で一般社団法人日本STO協会を設立した。日本STO協会は、電子的手段を用いた資金調達方法であるセキュリティトークンオファリング(STO)について、業界の健全な発展を図るため自主規制の策定等を行う一般社団法人だ。
同協会は、SBI証券と証券会社5社(カブドットコム証券、大和証券、野村證券、マネックス証券)を中心に証券業のノウハウを結集し、日本におけるSTOのビジネス機会を模索・実現させていく。また、不公正取引やマネロンなどの違法行為を防止し、法令遵守や投資家保護を徹底させる目的がある。同協会はこの目的を達成するため、当協会は金融商品取引法に基づく認定金融商品取引業協会としての認定取得を目指すとしている。
STOは、発行体が従来の株式等に代わり、ブロックチェーン等の電子的手段を用いて発行される有価証券である「セキュリティトークン」を投資家に取得してもらい、資金を調達するスキームだ。2017年頃から話題となったICOでは明確な規制がなかったことでトラブルに発展するケースも多かったが、STOは法令上の有価証券として発行・流通されることとなる。
米国ではSTOが新たな資金調達手法として既に取り入れられているが、日本においても2019年5月に「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部改正法律」が成立し、その中の「電子記録移転権利」が規定され、STO普及に向けた環境が整いつつある。
日本STO協会の代表理事にはSBIホールディングスの北尾吉孝氏が就任し、北尾氏は2019年末までに自主規制案を取りまとめ、2020年4月の認定を目指すと述べている。法令に則った新しい資金調達法が適正な環境下で利用できるようになれば、日本でも再びブロックチェーンが注目されるきっかけとなるだろう。引き続き注目していきたい。
【参照記事】「日本STO協会」設立のお知らせ
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立花 佑
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