米国の投資家の10人に8人余がサステナブル投資に関心を持ち、半数は少なくとも1つのサステナブル投資を実践していることが、米モルガンスタンレー・サステナブル投資研究所の最新調査で明らかになった。
Sustainable Signalと題したこの調査は今回で3回目。調査対象は少なくとも10万ドルの投資可能な資産を持つ800人の個人投資家で、うち18歳から37歳のいわゆるミレニアル世代が200人含まれている。
同調査では、4つのテーマが浮き彫りになった。
1)サステナブル投資に関心を持ち、実践する層は増え続けている
投資家の85%がサステナブル投資に関心を持ち、ミレニアル世代では95%が関心を持っている。投資家全体の52%、ミレニアル世代の67%が、特定の環境・社会課題に取り組む企業やそれらを含むファンドへの投資など、少なくとも1つのサステナブル投資を実践している。
2)投資家は自分の関心に合った商品を求めている
投資家全体の84%、ミレニアル世代の90%は、投資を通じて目標の達成にインパクトを与えられるようにしたいと考えるとともに、インパクトに関する報告を求めていることも明らかになった。
3)サステナブル投資への信念が、収益に対する懸念を上回る
投資家の86%は、ESGの実践が企業収益の向上につながり、長期投資に有利に働く可能性があると考えている。88%の投資家は環境・社会課題へのインパクトと投資収益は両立できると考えている一方で、64%の投資家は投資収益と持続可能性とのどちらかを選ばなければならないというトレードオフ的な考え方を持っていることを認めている。
4)投資家は、より多くの選択肢を求めている
投資家の65%は、選択できる投資商品の少なさがポートフォリオの中でのサステナブル投資の実践にとって障害になっていると捉えている。
モルガンスタンレー証券CSO(持続可能性に関する最高責任者)兼CMO(最高マーケティング責責任者)のAudrey Choi氏は「サステナブル投資は今や主流となり、これからも主流であり続けるだろう」と指摘。その上で「投資家は年々、自らの保有資産の中身を知りたがっているだけでなく、それらに彼らの価値観が反映されていてほしいと考えるようになっている」と分析している。
【調査詳細】Morgan Stanley:Interest and Adoption of Sustainable Investing Continue to Grow
【参考記事】CSRwire:Morgan Stanley Survey Finds Investor Enthusiasm for Sustainable Investing at an All-Time High
木村 麻紀
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