米国議会図書館のGlobal Legal Research Directorate(GLRD)は12月23日、全世界における2021年11月時点の暗号資産の規制状況に関するレポートを発表した。このレポートによると、世界各国の計51カ国が暗号資産関連産業に対して禁止令を出しているという。
同レポートは2018年に初めて作成され、2020年から2021年の暗号資産の市場状況を反映した更新版が2021年11月に作成されている。
2018年のレポートでは、8つの国が暗号資産自体を違法としており、15の国が金融機関が暗号資産関連サービスを個人や企業に対して提供することや、暗号資産取引所が国内でサービスを提供することを禁止していた。
今回の更新により、暗号資産自体を違法としている国は9カ国、金融機関や暗号資産取引所への規制を適用している国は42カ国に増加した。世界中で暗号資産関連産業に対する規制が強まっていることが読み取れる。
またレポート内では、暗号資産を取り巻く規制の枠組み、特に税法やマネーロンダリング防止法・テロ資金供与対策法(AML/CFT法)の適用有無についても調査されている。以下の表は、暗号資産に対して税法もしくはAML/CFT法を適用している国を示している。黄色が税法、水色がAML/CFT法、緑色が両方を適用している国だ。
2018年時点では、税法やAML/CFT法を適用している国はわずか33カ国であり、両者を適用している国は5カ国のみであった。しかし2021年11月時点では、103カ国が税法やAML/CFT法を適用している。また、その大多数の国が両方を適用している点も特徴的だと言えるだろう。
暗号資産の規制に関して、今年最も話題を呼んだ国は中国だ。2017年以来、中国政府は暗号資産の取引を禁止してきたが、今年は暗号資産のマイニングを取り締まったことが業界内でニュースとなった。
その結果、マイニングの規制前はマイナーの3分の2が中国で活動していたが、規制を受けてマイナーが世界の他地域へ流出している。現在、マイニングの最大の市場は米国で、2位はカザフスタン、3位はロシアとなっている。
【参照記事】Regulation of Cryptocurrency Around the World: November 2021 Update
株式会社techtec リサーチチーム
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