クロスボーダー決済企業リップル社は2月5日、XRP関連事業や売り上げに関する第4四半期の市場レポートを公表している。
リップル社のレポートによると、当該期はビットコイン投資家のデリバティブ市場への参入がさかんとなり、ビットコインの高値と暗号市場全体の成長が特徴的であったと伝えている。その一方で、米国規制機関の明確さの欠如も浮き彫りになったと指摘する。
米証券取引委員会(SEC)が2020年12月、リップルXRPが有価証券であり未登録で提供したとする訴訟においては、XRPへの不確実性によるXRP一時停止を余儀なくされたことで、約150億ドルの市場価値が失われたと指摘。ただし、リップル社の90%以上の顧客はアメリカ国外に拠点があり、On-Demand Liquidity(ODL)は、15を超える新規顧客と契約し、昨年比で12倍の増加となった。
第4四半期のXRPの総売上高は、前年度の同時期3,584万ドルに対し、7,627万ドル(USD)であった。CryptoCompare TopTier(CCTT)が報告したXRPの1日あたりの平均量は、第4四半期が16億1,000万ドルで、第3四半期の4億358万ドルの約4倍近くに相当する。このボリュームの急増は、12月12日に行われたFlareのSparkトークンエアドロップに伴うスナップショットが原因である可能性が高いとしている。
価格の変動性を表すボラティリティのデータでは、第4四半期のXRP日次リターンの標準偏差は9.6%で、第3四半期の3.5%および第2四半期の3.0%から大きく増加した。この数字は、BTC(5.8%)やETH(7.2%)よりも高い値となっている。
SEC訴訟後の影響について具体的な数字では、1日のXRP総ボリューム16億に対し、5,800万ドル相当するXRPに影響を及ぼしたと分析でき、全体の約12%ほどにとどまったと言及。CoinbaseをはじめとするXRP取り扱い関連事業33社の内、多くはXRPを一時的に停止を施行したものの、ウォレットへのアクセスは開放している。またXRP停止措置をとっているKraken、Bitstamp、Crypto.com、B2C2は、アメリカ国外で引き続きXRPサービスを提供している。
2020年はRippleNetで約300万のトランザクションを処理しており、2019年度との比較で5倍増のボリュームに達した。またODLの前年比は12倍の成長にあたり、トランザクションの想定価値は約24億ドルと予測している。他にも、南アジア最大の銀行DBSとの、デジタル取引所の立ち上げの関与、Binanceが、XRPで担保された新しい先物のリリースにより、XRPデリバティブ市場を拡大し、XRPの効率性が高まると解説した。
【関連記事】XRPとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】https://ripple.com/insights/q4-2020-xrp-markets-report/
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