イーサリアムのサイドチェーンである「Polygon」は12月9日、ゼロ知識証明を用いたスケーリング技術であるZK-Rollupsの研究開発を行う「Mir」の買収を発表した。MirはPolygon Zeroという名称に変更され、Polygonのエコシステムに加わることになる。
買収額は4億ドルで、1億ドル相当のUSD Coin(USDC)と1億9,000万MATIC(買収契約時の価格で3億ドル相当)によって3年かけて支払われるようだ。
Polygonは8月にZK-Rollups関連の事業に10億ドル(約1,130億円)を投資することを発表し、Hermez社を2億5,000万ドルで買収していた。Mirは2社目の買収先となる。
また、過去に事業の一環としてEYと共同でプライバシーソリューション「Polygon Nightfall」を構築していた。11月にはイーサリアムに互換性のあるRollups系技術の「Polygoon Miden」を発表している。PolygonがZK-Rollupsに注力していることが伺えるだろう。
Mirは、2年前にBrendan Farmer氏とDaniel Lubarov氏によって設立され、数学博士や暗号技術者など8名と共にPolygonのチームに加わることになった。同社は「Plonky2」と呼ばれるゼロ知識証明技術の設計と最適化に力を入れており、データサイズを圧縮することでイーサリアム上で実行可能な状態にしつつ、実行速度をゼロ知識証明の中でも最速水準で実現しているという。
加えて、Plonky2は既存のシステムとは異なり、高速な再帰証明により証明生成を並列化することで性能を大幅に向上させることが可能だ。なお、Plonky2のより詳しい説明は数週間後に発表されるという。
Polygon共同創業者のMihailo Bjelic氏は、「今回発表するPlonky2は、非常に高速なイーサリアム対応の再帰証明システムです。この技術的発明は、コミュニティにとって大きな付加価値となり、イーサリアムのスケーリングの新境地を開くものと信じています」とコメントしている。
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【参照記事】Polygon Takes A Major Lead In ZK Rollups; Welcomes Mir, A Groundbreaking ZK Startup In A $400M Deal — Polygon | Blog
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