米決済プラットフォーム大手PayPalが、暗号資産によるオンライン決済に対応したことが明らかとなった。3月30日にロイターが報じている。
ロイターによると、世界中の数百万ものオンラインショップにて、PayPalウォレットを通して暗号資産による支払いが可能になるという。対応するのは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)だ。
消費者による暗号資産決済の場合でも、ショップ側は法定通貨で受け取ることができるという。PayPalが内部で換金する仕組みだ。今後数ヶ月以内に、2900万の加盟店全てで利用できることを目指すとしている。
暗号資産による決済手数料は徴収せず、1度の購入に際しては1種類の暗号資産のみ使用可能だという。PayPalのCEOであるDan Schulman氏は次のように述べた。
「PayPalウォレット内で、クレジットカードやデビットカードと同じように暗号資産をシームレスに使用できるのは今回が初めてです。私たちは、暗号資産が購入や保有、販売の対象となる資産クラスから、現実世界の何百万ものショップと取引を行うための合法的な資金源となるための重要なターニングポイントになると考えています。」
PayPalは、2020年10月に暗号資産市場への本格的な参入を発表して以降、市場の盛り上がりを牽引してきた。現在は米国内でのみサービスを提供しているが、年内にイギリスへの展開を予定している。また、決済サービスVenmoにも暗号資産事業を拡大するという。
現時点で、暗号資産はそのボラティリティの高さから決済手段として普及しているとはいえない状況だが、PayPalが内部での仲介役を担うことにより、ショップ側のリスクを抑えることができる。
ここ数ヶ月でマスターカードやVisaなど、決済プラットフォーム大手の暗号資産事業への注力が著しい状況が続いている。また、いずれもCBDCへの対応を計画しているとされ、短期的な戦略だけでなく、中長期的な戦略も掲げているようだ。
【参照記事】Exclusive: PayPal launches crypto checkout service
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