クリーンエネルギー技術企業のオクトパスエナジーグループは6月5日、気候変動に特化した投資会社 Galvanize Climate Solutions とインパクト投資家のLightrockが新たな投資家として加わったと発表した(*1)。オクトパスは両社のサポートを受けながら、北米と欧州の成長を加速させる方針である。
今回の発表は、アル・ゴア元米副大統領が会長を務めるサステナビリティ特化の投資会社ジェネレーション・インベストメント・マネジメントと、カナダ年金制度投資委員会(CPPIB)がオクトパスへの投資を倍増させたのに続くものだ。
これらの資金調達により、オクトパスの評価額は90億ドル(1兆4,000億円)に達し、2023年12月に実施した前回の大型の資金調達ラウンドから15%増加した。
Galvanizeは、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とする気候変動に特化した投資会社だ。世界中で気候変動問題の解決を加速させるために資本と専門知識を提供する。同社の会長を務めるケイティ・ホール氏とトム・ステイヤー氏は、それぞれ360億ドル以上の資産を持つ世界的な投資会社を設立し、成功を収めている。
Galvanizeは10億ドル規模のInnovation + Expansionファンド(これまでに調達された気候変動ファンドの中でも最大級)を通じて、オクトパスの北米での事業拡大を後押しする。
Lightrockは、持続可能な未来の構築に特化したグローバル投資プラットフォームである。ロンドンに本社を構え、上場・未上場の両方の市場で資金を運用しており、その大部分は気候変動イノベーションに特化している。
欧州におけるステークホルダーと良好な関係と、アジアとラテンアメリカにおける長年にわたり培ってきたプレゼンスにより、オクトパスの欧州とグローバル市場での成長をサポートする。
オクトパスは英国を拠点とする世界的なクリーンエネルギー技術企業だ。手頃な価格で環境に優しい未来のエネルギーシステムを推進している。設立から10年足らずで英国最大の家庭用電力供給会社になるまでに成長した。
再生可能エネルギーへの投資、建設、管理をおこない、欧州最大級となる60億ポンドのプロジェクト・ポートフォリオを運営している。EDF、E.ON、Origin Energyなどの企業とのライセンス契約を結び、自社開発プラットフォームであるクラーケンを活用して、世界中で5,400万件以上の顧客口座向けサービスも提供している。米TIME誌の「100 Most Influential Companies(最も影響力のある100社)」に選定されるなど、市場から高い評価を得ている。
【参照記事】*1 オクトパスエナジー「More world-class investors join Octopus Energy Group as it supercharges growth in North America and Europe」
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