米ニューヨーク州が、暗号資産レンディング事業を運営する企業2社に対して、業務を停止するよう命令したことが10月18日に明らかとなった。米メディアCoinDeskによると、命令対象となったのはNexoとCelsiusだという。
今回の措置は、ニューヨーク州の不正防止法(マーティン法)に基づいて行われた。マーティン法は、州内で証券取引を行なっているとみなされる企業を対象に調査する権限を司法長官に与える法律だ。
マーティン法では、暗号資産レンディングは有価証券の取り扱いに該当するという。したがって、ニューヨーク州で暗号資産レンディング事業を運営するには、司法長官事務局への登録が必要になるとのことだ。今回命令対象となった企業は、いずれも登録を行なっていないという。
ニューヨーク州のLetitia James司法長官は、暗号資産レンディング事業を「顧客から預かった暗号資産に対して一定の利子を付与するもの」と定義している。今回名前があがったNexoとCelsius以外に、米国ではBlockFiなどが対象になるだろう。
CoinDeskによると、命令が出された2社以外に、類似する3社に対しても情報提供するよう指令が出たという。これには、貸付率や支払いプロセス、借入可能額(最小と最大)、手数料に関する情報が含まれる。
今回のリリースに添付されたファイルでは、当初NexoとCelsiusの名前が記載されていたものの、現在は企業名は伏せられている。Nexoはリリースに対して、「我々はニューヨーク州ではレンディング事業および取引事業は提供していません。IPアドレスに基づき、ニューヨーク州のユーザーはアクセスをブロックしています。」とコメントした。併せて、「ニューヨーク州で提供していない事業に対して何らかの措置を取られることは理解できませんが、当局の動きには協力します。」と表明している。
暗号資産レンディングに関しては、米国内で取り締まり強化の流れが加速している。NexoやCelsius以外にも、BlockFiがいくつかの州より調査対象とされてきた。また、Coinbaseは暗号資産レンディング事業を開始する前の段階で当局より提訴され、事業撤退を余儀なくされている。
【参照記事】New York AG Directs 2 Crypto Lending Platforms to Cease Activities
株式会社techtec リサーチチーム
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