Facebookのステーブルコイン「Diem(旧:Libra)」プロジェクトが、PaxosおよびCoinbaseとの実証実験を10月19日より開始した。Diemの専用ウォレット「Novi(旧:Calibra)」における機能性とコンプライアンス要件を確認する。
Noviは、ステーブルコインDiemを扱うためのウォレットとして開発が進められているが、今回の実証実験ではPaxosの発行するステーブルコインUSDPを使用するという。実証実験のカストディ業務をCoinbaseが担当するようだ。
実証実験に参加するユーザーは、Noviを通してUSDPを受け取ることができる。NoviはUSDPをCoinbaseカストディに預ける仕組みだ。Coinbaseカストディは、ニューヨーク州金融サービス局の規制下にあり、同州の銀行法に基づく事業者である。Noviのユーザーは、Coinbaseカストディを通して3億2,000万ドル規模の保険に加盟することができるという。
米ドルを担保にしたステーブルコインは、USDP以外にUSDCやUSDTが存在する。いずれもUSDPよりも市場規模が大きくなっているが、Facebookは今回の実証実験でUSDPを選択した理由について次のようにコメントしている。
「USDPにはすでに3年以上の運用実績があり、担保資産が限りなく100%に近い状態で米ドルによって構成されている。最も安全なステーブルコインだと言えるだろう」。
Paxosは、7月にUSDPの担保資産の内訳を公開している。USDCやUSDTと比べてより規制に準拠した信頼の高いステーブルコインであることを主張。裏付け資産の96%が、現金または現金相当物で構成されていることを証明していた。同時期にUSDCが61%、USDTが2.9%を現金または現金相当物で構成していたことと比較し、USDPは最も安全なステーブルコインだと言えるとアピールしている。
今回の実証実験は、Noviの機能面とコンプライアンス要件を確認することが目的だ。将来的にはDiemを取り扱えるようネットワークを移行していくという。
【参照記事】Coinbase to power crypto custody for Facebook’s Novi
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