投資リスクは高まっても市場の投資機会に楽観的。ナティクシスIMが世界のファンド投資家に調査

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不安定な市場やマイナス金利環境が続く中、プロのファンド投資家は2021年に予想される市場の上昇機会をうかがってポートフォリオを調整しているようだ。資産運用大手のナティクシス・インベストメント・マネージャーズが2月19日に発表した世界のファンド投資家を対象に実施した調査結果で、投資家が主なポートフォリオ・リスク要因として挙げるのは、ボラティリティ、低・マイナス金利、信用収縮。一方で、個人投資家は新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて、より不用意にリスクをとっていたり、バリュー投資が注目されている傾向がわかった。さらに、過半数の回答者が、新興国市場の魅力がコロナ禍前より高まったと回答した。

調査は20年11月と12月、世界中の独立系金融アドバイザー、登録投資顧問業者、保険会社、運用プラットフォーム、プライベートバンク、ファミリーオフィスなど資産規模総額12兆7000億米ドルを占める400のファンド投資家を対象に、2020年11月と12月に実施。年末にはワクチンの承認を受けた楽観論の台頭にも関わらず、ファンド投資家の6割がコロナ禍のニューノーマルは定着すると予想しており、また、3分の2が21年内に世界経済がコロナ禍から回復することはないと見ている。しかし、こうした懸念は、必ずしも市場に対する否定的な見解へとはつながっておらず、回答者の8割が、再び景気が悪化した場合には中央銀行が市場を支援すると意思を示した。

世界のファンド投資家にとって、21年の最も大きなリスクとして、ボラティリティ(49%)とマイナス金利(39%)が挙がった。それ以外ではインフレ(37%)、信用収縮(34%)、流動性問題(25%)などが考えられている。しかし、今後も追加的な財政・金融政策が実施される可能性が高いことから、ファンド投資家は21年に株価は更に上昇する余地があると見ており「投資機会を求めて世界中に目を向けていく」と答えている。

「20年は気候変動や自然災害、政治的緊張、史上最速の市場の調整など、世界的な感染症拡大をも上回る大きな課題が市場に浮上した。不透明要因は依然払拭されておらず、金融市場がバブルの領域に入ったのではないかという懸念も高まっている。しかし、ファンド投資家は市場リスクを投資機会として捉えている」と同社。

楽観論はセクターに対する見解にも反映されている。プロの投資家は、特にヘルスケアに対して強気で、回答者の56%がヘルスケアセクターは市場をアウトパフォームすると予想。次いで、一般消費財(46%)、IT関連企業(45%)、エネルギー(44%)、金融(44%)となった。

ESG投資は、世界のファンド投資家が依然として継続的に注目している分野だ。ESG戦略は20年の市場の混乱時においても強さを見せた実績があり、回答者の57%が、今年もアウトパフォーマンスが続くと予想している。市場の幅広い機会を捉えるために、半数以上のファンド投資家は、ESGやテーマ別投資に特化した戦略をモデル・ポートフォリオに追加し、ラインナップを充実させたいと考えていた。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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