米電力大手ネクステラ・エナジー(ティッカーシンボル:NEE)は4月28日、傘下のネクステラ・エナジー・リソーシズと、ダイムラートラック・ノースアメリカ、ブラックロックのオルタナティブ運用部門が合弁会社「Greenlane」を設立すると発表した(*1)。Greenlaneを通じて、中・大型のバッテリー式商用電動車と水素燃料電池車向けに、全米を網羅する公共充電・充填ネットワークの構築を目指す。
Greenlaneは喫緊の課題となる、長距離走行を中心とした電動商用車向けに、全米を網羅した公共充電インフラの構築に取り組む。この取り組みは、北米の自動車産業が持続可能なゼロエミッションのエコシステムを形成するうえで重要なステップとなる。
多様な輸送ルートに対応すべく、グリーンフィールド(未開発地)を含む複数のサイトを取得する中、まずは南カルフォルニアに充電インフラを設置する。Greelaneは最初に中・大型のバッテリー式商用電動車向けの充電インフラの構築に注力し、その後燃料電池トラック向けの水素充填ステーションの建設に取り組む。モビリティの電動化に貢献すべく、将来的には小型車にも充電アクセスを広げていく計画である。
専任のソフトウェア・ハードウェアチームが、カスタム性のある商用車向けの予約プラットフォームを構築し、フリートマネージャー、ディスパッチャー、ドライバー向けに業界最高水準の顧客体験を提供する方針だ。
米国では、カリフォルニア州が2023年3月末、州内で販売する商用車の約半分を35年までに電気自動車(EV)などのゼロエミッション車(ZEV)にすると発表した(*2)。環境規制をリードする同州の規制は、気候変動対策を進める他州にも波及する可能性がある。
民間部門の取り組みとしては、たとえば、英石油大手BP(BP)と米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)が22年9月、北米のハーツ店舗で、BPのEV充電ステーション「bp pluse」のネットワーク構築に向けて覚書(MOU)を締結した(*3)。bp pluseは乗用車、商用車、トラックを急速充電するグローバルネットワーク拡充を図る。
【参照記事】*1 ネクステラ・エナジー「Introducing Greenlane: Daimler Truck North America, NextEra Energy Resources and BlackRock Forge Ahead with Public Charging Infrastructure Joint Venture」
【参照記事】*2 ロイター「US approves California plan requiring half of heavy duty trucks be EV by 2035」
【関連記事】*3 英BP、北米でEV充電ステーション拡充へ。米レンタカー大手ハーツと提携
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