スマートホームエネルギー関連製品を手がけるスタートアップmyenergiは10月11日、ベンチャーキャピタルのエナジー・インパクト・パートナーズ(EIP)より3,000万ポンド(約55億円)の出資を受けたと発表した(*1)。調達した資金を元手に、エコスマート製品の販売拡大や家庭でのエネルギー移行を推進する。
今回の出資は、今年初めに英金融機関大手HSBCよりデッドファイナンス(#1)で3,000万ポンドの資金を調達したのに続くものであり、myenergiの業容拡大を後押しするものだ。
リー・サットン氏とジョーダン・ブロンプトン氏が2016年、myenergiを英国で設立した。スマートエネルギー製品の迅速な導入に向けた技術的、財政的な課題など、より環境に優しい未来への障壁を取り除くことを目的とし、再生可能エネルギー普及への道を切り開くことをミッション(使命)に掲げる。
同社は、過去3年間の年平均成長率(CAGR)が125%を超え、英国内で最も急成長している民間企業トップ30社のうちの1社だ(*2)。太陽光発電の電気自動車(EV)用充電器「zappi」や電力変換器「eddi」、スマートホームバッテリー「libbi」など、さまざまなエコでスマートなホームエネルギー関連製品を製造している。
EIPは、エネルギーと気候の未来を決定づけるソリューションを開発する企業を支援し、エネルギー移行への投資に注力するグローバル投資会社である。より安全で、より柔軟性があり、よりクリーンなエネルギー源に貢献するmyenergiのような使命感に溢れ、大きな影響力を持つ英国や欧州のハイテク企業への投資を行っている。
今回の投資の一環として、EIPヨーロッパのマネージング・パートナーを務めるナゾ・ムーサ氏、英小売り大手テスコの元最高経営責任者(CEO)であるテリー・リーヒー卿、英家電大手ダイソンの元最高執行責任者(COO)であるピーター・リチャードソン氏が、取締役としてmyenergiに加わった。
共同創業者のジョーダン氏は「EIPからの投資を受け、弊社のエコスマートな製品がより多くの家庭に導入されることで、顧客が家庭で使用するエネルギーのモニタリング、管理、効率最大化を行えるようになると共に、排出量やエネルギーコストを削減し、最終的にはエネルギー自給率を高めることができるようになる」と述べた(*1)。
世界のスマートエネルギー市場は、2022年の1,517億ドルから2028年までに2,530億ドルへと、8.3%の年平均成長率(CAGR)で成長する見込みだ(*3)。エネルギー移行を推し進めるパイオニア企業として、myenergiが世界中で、エコでスマートなホームエネルギー製品・サービスのビジネスを拡大することに今後も期待したい。
(#1)デッドファイナンス…有利子負債による資金調達方法。
【参照記事】*1 myenergi「myenergi lands £30m investment from Energy Impact Partners to drive growth and internationalisation」
【参照記事】*2 myenergi「myenergi ranks #26 in The Sunday Times 100」
【参照記事】*3 グローバルインフォメーション「スマートエネルギー市場:世界の産業動向、シェア、規模、成長機会、2023-2028年予測」
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