暗号資産・ブロックチェーン特化のベンチャーキャピタルMulticoin Capitalが、1億ドルの新ファンドを組成したことを5月4日に発表した。株式とトークンを対象に出資していくという。
Multicoin Capitalは業界特化型としては老舗のベンチャーキャピタルであり、これまでにAlgorandやBakkt、DFINITY、Dune Analyticsは、NEAR、SKALE、Solana、The Graphといった業界をリードする企業・プロジェクトに投資している。
Multicoin Capitalの投資戦略は、アーリーステージの企業・プロジェクトに対して投資ラウンドをリードする点にある。株式だけでなくトークンに対しても出資できるようスキームを組んでおり、業界のベンチャー投資ルールを形成してきたベンチャーファンドの1つだ。
今回の新ファンド組成に伴い、3名のメンバーがパートナーへと昇格している。それぞれ米国ニューヨークを拠点に広報機能を強化、中国杭州を拠点にアジアへの投資を強化、米国テキサス州を拠点に投資先のサポートを強化するという。
今後の投資領域としては、主にOpen FinanceとWeb3、そしてそれらを支える新たなインフラストラクチャをあげている。
Open Finance
Multicoin Capitalは、DeFiを含め既に多くのOpen Finance領域へ投資してきているものの、今後もこの領域への投資を強化していくという。
中でも、投資先であるSolana上に展開されつつあるDeFiエコシステムへ期待していると言及した。Solanaには、SerumやRaydiumといったDEXをはじめとして、複数のステーブルコインが発行されるなど、エコシステムを急激に拡大してきている。
Web3
The GraphやArweaveなど、Web3を支えるインフラ技術にもMulticoin Capitalは積極的に投資してきた。今後は、クリエイター向けのMirrorやAudiusといったプロジェクトが規模を拡大すると予想している。
その他にも、NFTやソーシャルトークン、メタバースといった領域が大きくなると言及しており、Multicoin Capitalとしてもこれらの領域には新しく積極的に投資していきたいとした。
【参照記事】Multicoin Capital: Announcing Venture Fund II
株式会社techtec リサーチチーム
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