太陽光発電およびエネルギー貯蔵スタートアップのMN8エナジーは4月1日、転換権付優先株式の発行および売り出しにより3億2,500万ドル(約490億円)を調達したと発表した(*1)。今回の第三者割当増資による調達資金を元手に更なる事業拡大を図る。
MN8は2017年に立ち上げられたゴールドマン・サックス・リニューアブル・パワー(Goldman Sachs Renewable Power LLC)を母体とする。2022年にブランド名を刷新し、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントから独立分離した。MN8によると、現在では米国最大級の再生可能エネルギー企業の1つになる。
MN8は再エネ関連サービスの提供を通じ、企業の電化および脱炭素化を支援する。具体的には、米国28州に875件、320万キロワット(kW)容量の太陽光発電プロジェクト、270メガワット(MW)超の蓄電池プロジェクト、EV充電ソリューションを展開している。
コカ・コーラやウォルマートなどの企業、ロサンゼルス郡や米陸軍などの政府機関、カリフォルニア大学やジョージタウン大学などの教育機関といった200社以上が、MN8の顧客リストに名を連ねる。
今回の増資は、スイスの商品取引大手マーキュリア・エナジー・グループ(出資額:2億ドル)と、米国の主要インフラ投資会社リッジウッド・インフラストラクチャー(同1億2,500万ドル)が引き受けた。
契約の一環として、マーキュリアはMN8の取締役会の1議席と議決権のないオブザーバーの席を獲得し、リッジウッドはオブザーバーとして取締役会に参加する見込みだ。
MN8とマーキュリアは今回の増資を完了したことに伴い、より持続可能、手頃な価格、信頼性の高いエネルギーシステムの構築を目指す戦略的協業契約を締結した。同パートナーシップを通じ、MN8の再エネ関連の機能とマーキュリアのエネルギー市場に関する専門性を活用する。
MN8エナジーのジョン・ヨーダー社長兼最高経営責任者(CEO)は「マーキュリアおよびリッジウッドとの契約は、顧客に革新的なソリューションを提供するとともに、我が社が更に成長し、株主により高い価値をもたらすための資金を提供するものだ」と述べた(*1)。
【参照記事】*1 Business Wire「MN8 Energy LLC Announces Closing of Private Placement」
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