パブリックブロックチェーンTerraの開発およびTerra上のステーブルコインTerraUSD(UST)の運営を行う「Luna Foundation Guard(LFG)」は2月22日、TerraのネイティブトークンであるLUNAのプライベートセールで10億ドルを調達したことを発表した。調達した資金はTerraUSDの準備金となる。
LFGは今年1月に設立されたシンガポールを拠点とする非営利団体であり、ブロックチェーンTerraのエコシステムの成長をサポートすることを目的としている。
暗号資産業界の歴史において最大規模となった今回のセールは、Jump CryptoとThree Arrows(3AC)が主導し、DeFiance CapitalやRepublic Capital、GSR、Tribe Capitalなどが参加した。
TerraUSDは、Terraブロックチェーン上で発行されている、価格を米ドルにペッグした無担保型のステーブルコインだ。TerraUSDとLUNAの供給量を、発行とバーン(焼却)によりコントロールすることで価格を維持するアルゴリズムを利用している。
アルゴリズムによる無担保型ステーブルコインの一般的な批判の一つとして、金融危機やボラティリティが過度に高いなどの状況下では、担保型のステーブルコインと比べて価格が不安定になるという点がある。
今回調達した準備金は、TerraUSDの市場価格が米ドルを大きく下回った場合に放出され、TerraUSDをビットコイン(BTC)などの主要でかつTerraエコシステムとの相関が低い暗号資産と交換できるようにするという。これにより、裁定取引を解消し、TerraUSDの市場価格を安定化させることが可能となるようだ。
LFGの創設メンバーの1人であるNicholas Platias氏は、「今回の準備金によって、アルゴリズムによるステーブルコインの持続可能性に対する懸念が払拭されました」と述べている。準備金はビットコインとして保有するが、相関が低いその他の主要な資産にも拡大していくという。
今回のセールで販売されたLUNAのベスティング期間は4年に設定されている。準備金の機能および設計の詳細については、今後数週間のうちに発表する予定のようだ。
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【参照記事】Luna Foundation Guard (LFG) Raises $1 Billion for a Bitcoin-Denominated Forex Reserve for Terra’s UST Stablecoin
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