トラベルルール、4月1日より国内で導入

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国内の認定自主規制団体である一般社団法人日本暗号資産取引協会(JVCEA)は3月1日、トラベルルールなどの新しい規制を2022年4月1日より導入することを明らかにした。

トラベルルールとは、「暗号資産交換業者は、送付依頼人と受取人に関する一定の事項を、送付先となる受取人側の暗号資産交換業者に通知しなければならない」というルールである。2021年4月に、金融庁からJVCEAへトラベルルールの導入要請があり、今回はその要請に応じた形となる。

今回公表されたトラベルルールの内容は、「移転関連情報の申告」と「移転関連情報の通知」に分類される。

「移転関連情報の申告」は、ユーザーが暗号資産の送付を暗号資産取引所に依頼する場合に、送付先の暗号資産取引所が一定の事項について申告を求める義務のことを指す。

4月1日より申告の必要がある項目は以下の通りだ。

  1. 受取人の氏名
  2. 受取人のために暗号資産の送付を受ける暗号資産交換業者(受取側の暗号資産交換業者)の有無
  3. 受取側の暗号資産交換業者がある場合はその名称

なお、10月1日以降には、受取人の住所に関する情報及び移転取引目的などに関する情報の申告も求められる予定となっているが、詳細は現時点では未定だ。

もう一方の「移転関連情報の通知」は、特定の条件に該当するユーザーに関する情報を、送付側の暗号資産取引所から受取側の暗号資産交換業者に通知する義務のことを指す。

特定の条件とは、(a)受取人が送付を依頼する利用者と同一であり、(b)国内の暗号資産交換業者が受取側の暗号資産交換業者となり、(c)送付する暗号資産がBTCまたはETHであり、(d)送付する暗号資産の邦貨換算額が10万円を超える額である場合を意味する。

また、通知される内容は以下の通りだ。

  1. 送付依頼人としての利用者ご自身の氏名、住所又は顧客識別番号
  2. 送付元の暗号資産アドレス
  3. 受取人としての利用者ご自身の氏名及び送付先暗号資産アドレス

JVCEAは、トラベルルールの適用は段階的に進めるとしている。受取人の住所に関する情報及び取引目的などに関する情報の取得義務は、2022年10月1日より発生する予定だという。

【参照記事】当協会が定める自主規制規則におけるトラベルルール対応についてのお知らせ | 一般社団法人 日本暗号資産取引業協会(JVCEA)

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宮﨑 龍三

慶應義塾大学総合政策学部3年。大学では国際政治・経済を専攻中。株式会社techtecでライターインターンとして働く他、仮想通貨ウォレットを内蔵したメッセンジャーツールアプリ「Links」を運営する株式会社Linksにもインターンとして参画している。仮想通貨を含めたブロックチェーン技術以外にも、機械学習、経済学など多種多様な分野への関心が強い。Twitter:@ryuzo10121