世界60か国以上に営業拠点を持ち2011年にはアメリカ最大の資産を擁する銀行となったJPモルガン・チェースがテクノロジーに焦点を当てた新たな71ページの調査レポートで「仮想通貨はいつか、投資家の株式・債券ポートフォリオを多様化させる。」と記していることを2月12日、CoinDeskが報じた。
「Decrypting Cryptocurrencies: Technology, Applications and Challenges(暗号通貨の解読:テクノロジー、アプリケーション、課題)」と題するそのレポートは、同行のグローバル・リサーチ部門により作成された。最も注目すべき部分はグローバル債券・株式ポートフォリオの多様化に仮想通貨が役割を果たす日が来る可能性があると予測していることだ。
同レポートには「過去のリターン、ボラティリティ、相関関係が持続する場合は、ボラティリティや相関関係が持続し、仮想通貨はグローバルな債券と株式ポートフォリオを多様化する役割を持つことができるであろう。(中略)ただし、仮想通貨が今後数年間、グローバル市場で生き残れば、現在の投機的なフェーズはおそらく終焉するだろう。そして、より低いボラティリティ、正常なリターン、金や日本円などの資産との相関性をもつことになる。」と述べられており、「仮想通貨が完全に消滅する可能性は低く、ピアツーピアネットワーク、匿名性、非中央集権を望む人々の間でさまざまな形で生き残る。」としている。
同レポートでは、上記以外にもブロックチェーン、中央銀行が発行するデジタル通貨(Fedcoin)についてそれぞれの特徴やメリットを客観的に述べながらも、それら自身がもつ問題や導入までの課題について説明されている。同行の会長兼CEOであるJamie Dimon氏が昨年、商売敵であるビットコインに対して感情的、またはプロパガンダ的な発言を行ったのとは対照的に、同行のアナリストたちは冷静に分析し、仮想通貨と向き合っているようだ。
【参考記事】JPMorgan Report: Crypto Could One Day Help Diversify Portfolios
【関連ページ】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法(BTC)
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