スウェーデンのインカ・グループ傘下の家具世界大手イケア(非上場)は10月18日、米国で長距離トラックの自動運転技術を開発するコディアック・ロボティクスと協働し、テキサス州で自動運転セミトラックの実証実験を開始した(*1)。
コディアックの自動運転システムを搭載したセミトラックは、ヒューストン近郊のイケアの倉庫からダラス近接の店舗までの約300マイル(約480キロ)におよぶ日々の配送を担う。トラックにはセーフティドライバーが付く。
コディアックのドン・バーネット最高経営責任者(CEO)は「自動運転トラック技術を導入することで、ドライバーの生活の質(QOL)を改善できる。イケアと協働し、安全性を高め、ドライバーの労働環境を改善し、より持続可能な貨物輸送システムを構築することが可能だ」と述べた(*1)。自動運転システムの搭載により、トラック運転手を配送ビジネスから締め出すのでなく、自動輸送への移行に注力し、車両の安全運行に貢献する狙いがあるようだ。
テキサス州は自動運転に有利な規制を敷いているほか、都市間を結ぶ幹線道路が整備されており、自動運転トラックの実証を行う上で理想的な環境が形成されている。コディアックは2019年以来、業界初となる自動運転トラックのテスト走行を同州で行っている。物流大手ワーナー・エンタープライジズ(ティッカーシンボル:WERN)やUSエクスプレス(USX)とは、ダラスからフロリダ州レイクシティ、およびジョージア州アトランタのそれぞれの区間で自動運転トラックの実証実験を行った。
その他にも、米アルファベット(GOOGL)傘下で自動運転技術の開発を手がける米ウェイモ(Waymo)、米オーロラ・イノベーション(AUR)などもテキサス州で自動運転トラックのテスト走行を実施している。
一般的に長距離トラック運転手の労働環境は過酷なものとみられるなか、自動運転のテスト走行に理想的なテキサス州でこれらの実証実験が進められることで、ドライバーの労働環境の改善と車両の安全走行につながることに期待したい。
【参照記事】*1 コディアック・ロボティクス「Kodiak moves IKEA products in Texas」
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