日立製作所が、ブロックチェーンを活用することで再生エネルギーの使用状況を可視化および証明するシステムを開発したことを、1月22日に発表した。2月より、東京都国分寺市にある中央研究所で本システムを導入する予定だという。
本システムは、ブロックチェーンとスマートメーターを連動させることで、電力の使用状況を自動的に記録する仕組みだ。設備やサービス単位での使用電力が100%再生可能エネルギーであることを「Powered by Renewable Energy」として証明するという。
具体的には、スマートメーターを使うことで電力の使用状況に関するデータを人手を介さずに管理。このデータを随時ブロックチェーンに記録していくことで、再生可能エネルギーがどの程度使用されているのかを客観的に証明することができるとしている。
ブロックチェーンを活用することで、過去から未来のデータまで全て恣意性を排除した状態で管理することが可能だ。これを「Powered by Renewable Energy」として証明することで、将来的には環境価値を訴求したサービス提供を実現するという。
また、このコンセプトを様々な業界のパートナー企業にも展開していくことで、脱炭素社会の実現への貢献も目指していくと言及した。地球温暖化を背景に脱炭素社会の実現が急ピッチで進められる中、企業が使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする協働イニシアチブ「RE100」なども提唱され始めている。
暗号資産・ブロックチェーン業界でも、米決済プラットフォーム大手のSquareが脱炭素化を目指し、環境問題に取り組む企業を支援するために総額1,000万ドルを投資していく計画を発表した。Square自身も、2030年までに二酸化炭素の排出量をゼロにするという。
Apple共同創業者のWozniak氏は、ブロックチェーンを活用したエネルギー企業Efforceを運営している。今回の日立製作所と同様、スマートメーターとブロックチェーンを連動させることで、こちらはエネルギーの節約量を可視化および証明するシステムを開発中だ。
Efforceでは、ブロックチェーンに記録されたエネルギー節約量のデータに応じて独自トークンWOZXを付与している。トークンがエネルギーを節約するためのインセンティブとして機能することで、環境問題への取り組みを促している設計だ。
【参照記事】ニュースリリース:2021年1月22日:日立 “脱炭素社会の実現に向けて設備やサービスごとの再生可能エネルギーの使用状況を見える化するシステムを開発”
株式会社techtec リサーチチーム
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