不動産とインフラに特化したESG(環境・社会・ガバナンス)データを提供するGRESBは7月9日、移行リスクの管理や投資先企業とのエンゲージメント(関与)に寄与するソリューション「Transition Analytics」を発表した(*1)。
Transition Analyticsは、GRESB傘下のアセット・インパクトチームが提供する。様々な環境コミットメントや報告要件を満たすことができるように設計されている。
最も排出量の多い11のセクターについて、世界で最も包括的な資産ベースの排出量と活動のデータベースをユーザーに提供する。14万8,000を超える現物資産と、これらの資産の所有する3,000社の上場企業、およびそれらの上場・非上場子会社3万2,000社とリンクしている。
ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス(NZAOA)やネットゼロ・アセットマネージャー・イニシアティブ(NZAMI)のような国際的ガイドラインに沿った、ボトムアップのセクター別目標を設定することができる。
資産運用会社やアセットオーナーは、絶対排出量と物理的原単位のデータ(現在から2029年までの予測)を確認することで、ポートフォリオが持つ気候への影響を深く理解するのに役立つ。
欧州連合(EU)のサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)のような、ますます厳しくなる気候関連レポーティングに必要なデータにアクセスしたり、戦略的に資本を配分したり、将来の移行リスクを管理したりすることもできる。
Transition Analyticsのデータを活用し、投資先企業が資産やセクターごとに洞察を得ることで、気候変動パフォーマンスを改善できるよう支援することも可能だ。取引主体識別子(LEI)、欧州共同体経済活動統計分類(NACE)、国際証券識別番号(ISIN)のような業界固有の分類や識別子を持つ既存のシステムとシームレスに統合することもできる。
英バークレイズ、スペインBBVA、仏BNPパリバなどの大手金融機関、規制当局、資産運用会社が、Transition Analyticsを利用している。
【参照記事】*1 GRESB「New product: Asset Impact launches Transition Analytics for asset managers and owners to better manage transition risks」
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