年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は2月7日、国内株式の運用を委託している機関に対して行った「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」の結果を発表した。
GPIFは厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っており、このうち国内株式の運用を委託している運用機関(運用機関)に対して、統合報告書の選定を依頼。4機関以上の運用機関から高い評価を得たものを「優れた」「改善度の高い」と評価し公表している。
今回も運用機関にそれぞれ最大10社の選定を依頼し、4機関以上の運用機関から高い評価を得た優れた統合報告書は延べ77社(2021年は77社)、改善度の高い統合報告書は3機関以上から票を得た企業はなく、「幅広い企業が選定された」(GPIF)結果となった。
優れた統合報告書と評価された企業と、評価した運用機関数(カッコ内)は日立製作所(5)、東京海上ホールディングス(5)、リコー(5)、オムロン(4)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(5)、伊藤忠商事 (4)など。
今回は該当する企業がなかった改善度の高い統合報告書は、前回は日本ペイントホールディングス(6)、 味の素(4)、大東建託(4)、 みずほフィナンシャルグループ(4)といった企業が挙がっていた。
GPIFでは今回、新たに統合報告書の発行を検討している企業も含め、統合報告書作成の参考にしてもらうため、「統合報告のなかで運用機関が特に重視する項目や記載を充実してほしい項目」の回答も依頼し(最大3項目)、公表している。
項目は「トップマネジメントのメッセージ(経営理念等)」「価値創造プロセス・ビジネスモデル」「企業理念・ビジョン・歴史」など全29項目で、「財務と非財務情報の統合(将来的に財務価値化する非財務情報、ストーリー)」「経営戦略とサステナビリティ活動の結合性」「CSR/ESG 経営の説明(CSV経営)」「サステナビリティへの取組み」従業員エンゲージメント」など、非財務情報やESG経営に関する項目が多く重視されている。
【参照リリース】GPIF「GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」(PDF)」
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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