米アルファベット傘下のグーグル(Google)は10月3日、再生可能エネルギー企業energyReと12年間にわたる435メガワット(MW)規模の太陽光発電の電力購入契約(PPA)を締結した(*1)。
energyReは、太陽光発電プロジェクトで発電された56,000世帯超相当が利用する電力を供給するとともに、再エネ証書(REC)を売買する。
今回のプロジェクトは、グーグルが事業展開する地域のすべての送電網に24時間365日カーボンフリーエネルギーを供給するという2030年目標をサポートするものである。両社の契約は、LEAP(#1)によって効率化された。
グーグルのデータセンターエネルギー部門グローバル責任者であるアマンダ・ピーターソン・コリオ氏は「(従来のRFP(提案依頼))の障壁を取り払うスケーラブルな調達アプローチを採用し、energyReと迅速に協力することで、SPP(サウスウェストパワープール、#2)の送電網に新たなクリーンエネルギーを供給し、同地域の発展を24時間365日サポートできるようになった」と述べた(*1)。
energyReは、ユーティリティ規模の送電、陸上風力および太陽光、洋上風力、エネルギー貯蔵、分散型発電の分野でクリーンエネルギーソリューションを提供する大手独立系エネルギー企業だ。
ニューヨーク、ヒューストン、インディアナポリス、チャールストンにオフィスを構えている。
同社のポートフォリオは100%持続可能でクリーンなエネルギーとなる。現在は、ユーティリティ規模となる16ギガワット(GW)の発電プロジェクトが進行するとともに、500マイル超の送電線を敷設している(*2)。
例えば、米国最大級の再エネインフラプロジェクトであるClean Path NYは、最先端の高圧直流送電(HVDC)による地下送電と州内の風力および太陽光発電を組み合わせたものだ。老朽化し断片化しているニューヨーク州の送電網を近代化し、40年までに同州のゼロエミッション電力への移行を加速させる。
商業運転が開始されれば、Clean Path NYは、ニューヨーク州の太陽光発電能力を60%増加させ、風力発電能力を2倍にし、送電網に1,300MWの送電容量を増やす。
energyReの米国内の陸上セグメントにおけるユーティリティ規模のポートフォリオには、契約済みの太陽光発電の設備容量が1,520 MWdc、契約済みのバッテリーストレージが398メガワット時(MWh)ある。
(#1)LEAP…クリーンエネルギーの売買をより効率的に行うことを目的としてグーグルとLevelTen Energyが共同開発したデジタルプラットフォーム。再エネ需要家のRFPとPPAの一連の契約プロセスをプラットフォーム上で統合し、PPA契約に必要な時間を従来の12か月以上から2~3か月に短縮するもの。
(#2)SPP…米国の地域システム運用機関。
【参照記事】*1 PR Newswire「energyRe and Google Sign 12-Year Power Purchase Agreement for 435-MWdc Solar Project」
【参照記事】*2 energyRe「Our Portfolio」

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