ドイツ与党・ドイツキリスト教民主同盟(CDU)の議員が、ドイツのブロックチェーン戦略において仮想通貨取引やトークン発行に関する適切な法的枠組みが必要との考えを示した。ドイツ連邦議会の財務委員会の公聴会に向けて提出された声明が3月11日、Cointelegraphにより報じられている。
Cointelegraphによると、声明では「ブロックチェーンはまだ初期段階にあるものの、複数の分野にわたる国内のデジタル化戦略の基盤技術として重要な影響をもつ」と指摘されている。また、電動車両や電力取引、連邦移民難民庁(Federal Office for Migration and Refugees)などにおけるブロックチェーンプロジェクトの導入に向け、ドイツは取り組みを強化するべきだとしている。声明はブロックチェーンスタートアップが非ヨーロッパ諸国へ流出している現状にも触れ、ドイツがブロックチェーン経済のパイオニアとなるため、議会による法整備の重要性を強調している。
コインテレグラフ日本版によると、ドイツは2月初めに同国のブロックチェーン技術の発展においてステークホルダーとなりうる企業や業界団体と協議を開始しており、2019年半ばにはブロックチェーン技術の活用に関する戦略を発表する予定だという。ドイツの首都ベルリンは、LiskやCosmos、Electrumなどブロックチェーン業界でも認知度の高いプロジェクトが活動していることで知られる。
金融領域に限らず、ブロックチェーンは自動車、小売、エネルギーなどさまざまな業界で情報管理手法を一新させる技術として期待を集めている。技術革新は法的な枠組みがあってこそ進むという積極的な姿勢は、ブロックチェーンにいち早く国策として取り組み、世界を主導したいという意気込みの裏返しとも言えるだろう。欧州最大の経済大国ドイツは、新たに生まれたブロックチェーン産業に対してどのように取り組んでいくのか。そして、それは仮想通貨市場にどう影響するのか。注目していきたい。
【参照記事】German Blockchain Strategy Should Include Framework for Crypto Trading, Say Politicians
【参照記事】欧州最大の経済大国ドイツ ブロックチェーン戦略を今年半ばに発表へ
立花 佑
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