暗号資産デリバティブ取引所のFTXが、シリーズBラウンドで9億ドルの資金調達を実施したことを7月20日に発表した。FTXによる今回の資金調達は業界最高額を更新したという。以前の最高額から約2倍の調達額であるとされ、1年前には12億ドルであったFTXの評価額は今回の調達により180億ドルとなった。
今回の資金調達にはSequoia Capitalをはじめ60以上のファンドおよび個人投資家が参加した。これには日本のソフトバンクも含まれている。米経済メディアForbesによると、創設者兼CEOであるSam Bankman-Fried氏の資産は、推定で83億ドルから162億へ増加したとのことだ。
Bankman-Fried氏は、「今回の資金調達の主な目的は、FTXのブランド成長を支援する仲間を見つけることであったが、資金は主に他企業の買収へ使用されるだろう。」とコメントしている。FTXは2020年8月にポートフォリオ管理アプリを運営するBlockfolioを1億5,000万ドルで買収していたが、これに続く買収先を探すことになりそうだ。
FTXは経験の浅いトレーダーでもオプション取引や先物取引、レバレッジトークンなど多くの商品を扱える暗号資産デリバティブ取引所である。現在の1日あたり取引量は平均100億ドルを超えており、2020年半ばに実施したシリーズAラウンド時と比べて75倍の収益を上げているという。
現在FTXは100万人を超えるユーザーを抱えており、その急速な人気の高まりにはスポーツチームへのスポンサーシップが影響しているとされている。2021年3月にFTXは、NBAチームMiami Heatのホームアリーナと19年間の命名権契約を1億3,500万ドルで締結した。暗号資産取引所が米国のプロスポーツ会場のスポンサーになるのはFTXが初めてである。
2021年6月には、世界有数のeスポーツチームであるTSMおよび米国のプロ野球リーグMLBと複数年にわたるブランドパートナーシップを締結した。また、ナショナルフットボールリーグ(NFL)の人気選手であるTom Brady氏をFTXのアンバサダーへ任命している。Brady氏の妻でありモデルのGisele Bundchen氏は、FTXの環境・社会活動アドバイザーを担っているという。
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株式会社techtec リサーチチーム
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