地熱発電スタートアップのファーボ・エナジー、366億円調達。次世代地熱発電の普及加速へ

次世代地熱発電のスタートアップ企業ファーボ・エナジー(Fervo Energy)は2月29日、最新の投資ラウンドで2億4,400万ドル(約366億円)を調達したと発表した(*1)。調達資金を元手に、石油・ガス産業から導入した実証済み技術を大規模に展開し、商業的に実行可能な24時間365日カーボンフリーのエネルギー提供を目指す。

今回の資金調達ラウンドは、米石油・ガスのデボン・エナジーが主導した。サステナブル投資を主導するカプリコーンのテクノロジー・インパクト・ファンドなどの既存投資家に加え、丸の内イノベーションイノベーションパートナーズや三菱重工業なども加わった。

フェルボは、強化地熱システム(EGS)と呼ばれる次世代地熱発電の開発を通じて、24時間365日カーボンフリーのエネルギーを提供する。

EGSは地下深くの地熱井を掘削し、そこへ地上から水を送り込み熱して蒸気タービンを回すことで発電する。地熱資源の場所に依存することなく、石油・ガス業界で培った掘削技術や水圧破砕法を活用し、地下深くの岩盤層に貯留層をつくって地熱発電を行える。

ファーボのミッションは、地球科学のイノベーションを活用して、世界が持続可能なエネルギーへの移行を加速することである。地熱は将来の電力網において重要な役割を担っている。同社が掘削と地下データ分析で大きな進歩を遂げることで、地熱のコスト競争力と世界的な拡張性を高めるための最新技術をもたらせる。

21年にはグーグルと次世代型の地熱発電システムの開発に向けた世界初の企業間契約を締結した。提携を通じ、グーグルクラウド向けに24時間365日カーボンフリーのエネルギーを供給する。

2023年7月には、EGSの坑井試験を成功裏に終了しており、同社のEGSは史上最も生産性の高いものとなる。ユタ州ビーバー郡の400メガワット(MW)級プロジェクト、ケープ・ステーション(Cape Station)でも掘削を開始した。

同プロジェクトにおける初期の掘削結果は、掘削時間の短縮とコストの削減を示しており、米エネルギー省(DOE)のEGSに対する期待を大幅に上回っている。今回の資金調達は、2026年に送電網へクリーンな電力を供給し始める予定のケープ・ステーションで事業継続をサポートするものだ。

ファーボの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)であるティム・ラティマー氏は「24時間体制のクリーンエネルギーに対する需要はかつてないほど高まっており、次世代地熱はこの需要に応えられるユニークな立場にある。我々の技術は完全にリスクが取り除かれているほか、既に価格競争力があり、パイプラインは膨大だ」と述べた(*1)。

【参照記事】*1 ファーボ・エナジー「Fervo Energy Raises $244 Million to Accelerate Deployment of Next-Generation Geothermal

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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