仮想通貨取引所も審査対象となるか。FATFが10月に対日審査を実施へ

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マネーロンダリング対策における国際協調を推進する政府間機関FATF(金融活動作業部会)は、10月28日から11月15日の3週間に渡り、対日審査することが明らかになった。審査結果は2020年6月に開催されるFATF総会で公表される予定だ。

審査では邦銀をはじめとする国内金融機関を対象に、本人確認や取引管理など不正送金を防ぐための対策について審査を行う。対象となる金融機関は現時点では未定だが、大手銀行や証券会社の他、地方銀行、保険会社など20社程度が候補になるとみられている。2018年10月のFATF声明では、仮想通貨交換業者も当局の規制対象に加えることが公表されているため、今回の対日審査では仮想通貨交換業者も対象に加えられる可能性が高いという。

2008年のFATF第3次対日審査では、銀行を含む金融機関全体で「要改善」という評価を受け、他国と比較しても厳しい結果だった。日本ではFATFの評価を受け、2011年に「犯罪収益移転防止法(犯収法)」を改正しているが、2014年6月に日本の金融業界には依然として問題があると指摘され、再び犯収法の改正を行っている。

国際社会でのテロ脅威が高まる中、マネロンと犯罪資金供与対策強化が叫ばれている。そうした中、昨今巨額のハッキング事件が多発する仮想通貨取引所が審査対象となるのは必然の流れだ。仮想通貨領域の関係者は失われつつある信用を高めるため、真摯に取り組むことが求められている。

【参照記事】マネロン対策、迫る国際審査 在留外国人増で強化急務

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。