12月2日~15日、スペイン・マドリードで開かれた国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)で、日本政府代表団は16日、結果概要をとりまとめ発表した。COP24で合意に至らなかった市場メカニズムの実施指針の交渉が一つの焦点となり、日本は 排出削減の二重計上防止と環境十全性の確保を訴えたが、技術的論点に加え、各国の利害が絡み合う政治的な側面もあり、すべての論点について完全に合意することはできなかった。2020年11月に英国で開催されるCOP26での採択を目指す。
会期中は京都議定書第15回締約国会合(CMP15)、パリ協定第2回締約国会合(CMA2)も行われた。日本からは、小泉進次郎環境大臣、外務・経済産業・環境・財務・文部科学・農林水産・国土交通各省の関係者が出席。COP25は会期を2日延長したが、合意文書策定の段階で、各国が掲げる温室効果ガス(GHG)削減目標引き上げの義務付けで合意できず、各国に“野心的な気候変動対策”を促す文言を盛り込むにとどまった。
COP19にて気候変動枠組条約の下に設置された、「ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失及び損害)に関するワルシャワ国際メカニズム(リスク管理に関する知見の共有等を促進するもの)」のレビューが実施された。一部の国から, 緑の気候基金(GCF)に対し、ロス&ダメージへの支援を求める主張が見られところ、既存の枠組の中で検討を続けることになった。また、ロス&ダメージに対する活動を支援する専門家グループ及びロス&ダメージにおける技術支援を促進するためのサンティアゴネットワークを設置することで合意に至った。
閣僚級会合で、小泉環境大臣が日本の取り組みについて説明。このなかで、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の賛同企業・機関が世界一であり,気候変動に関する適切な情報開示が更なる投資を呼び込んでいることをアピールした。また、GCFのイベントなどでは、日本はGCの最大級のドナーとしての貢献や、日本のESG金融の増加,グリーンボンド市場の拡大に向けた取り組みを説明。若者の行動を後押しするため,「GCF for Youth」と言えるような取組をGCFに進めて欲しいと述べ、締めくくった。
【参照記事】国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)、京都議定書第15回締約国会合(CMP15)及びパリ協定第2回締約国会合(CMA2)の結果について
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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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