第一生命保険株式会社は3月16日、サステナビリティ・リンク・ローンに約11億円の融資を行うと発表した。タイの石油化学大手Indorama Ventures Global Services Ltdを借入人、Indorama Ventures PCLを保証人とする。サステナビリティ・リンク・ローンは、事前に設定されたサステナビリティ・パフォーマンス目標の達成状況によって金利が変動する仕組み。借入企業の取り組みと行動変容を後押しすることで、環境・社会面において持続可能な経済活動を促進・支援を目指す金融商品。国内生命保険会社として初めての融資となる。
同ローンは組成額 約268億円、期間5年。アレンジャーはみずほ銀行で、タイ企業向け初の「ニンジャローン(在日金融機関による非日系・非居住者向けのコーポレートシンジケート・ローン)」であり、かつ日本を除くアジアで初めてニンジャローンにESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを評価する仕組みを取り入れた「サステナビリティ・リンク・ニンジャローン」となる。ESG評価の手法として、国際的に信頼性の高い第三者機関の算出する「サステナビリティスコア」を、目標点数以上に引き上げた場合に金利が引き下げられる仕組み。
インドラマ社は、タイに本社を置き、ペットボトルの原料となるPET樹脂事業において世界シェア約20%を占める世界最大手の化学メーカー。近年 はPET 樹脂のリサイクル事業にも注力しており、2025年までにリサイクル水準を大幅に向上することを目指している。
第一生命は「今回の投資がインドラマ社のリサイクル事業をはじめとしたサステナビリティ取組の更なる推進の動機付けとなり、プラスチックごみ削減に向けた事業の構造転換(トランジション)の後押しとなることを期待している。引き続き、運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとともに、責任ある機関投資家として持続可能な社会の形成に寄与すべく、ESG投資に積極的に取り組んでいく」としている。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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