暗号資産市場、第1四半期の4つのトレンド。リサーチ企業Messariが見据える今期の注目ポイント

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2020年第1四半期(1~3月)は暗号資産市場の歴史上で特に多くの面で成長が認められた時期となった。ブロックチェーンニュース・リサーチ企業Messariは、ステーブルコイン、ビットコイン市場環境、金融サービスのオープン化、スマートコントラクトのカテゴリーに分けて、それぞれの発展、及び年内の展望について4月21日、報告している。

世界経済が落ち込み、キャピタルフライト(資本逃避)や米ドルに対する需要が高まる中、米ドルの価値に紐付けられたステーブルコインも2010年第1四半期に爆発的に拡大した。該当四半期に2019年全体を上回る資本が流入したため、主要な7種類のステーブルコインの時価総額は合計80億米ドルを超えている。これは年末までに4倍に成長するペースだ。テザー(USDT)が支配的なシェアを占めているが、米取引所コインベースを含む企業連合が管理するUSDCも着実に成長している。

2020年にビットコインは強気で始まり、45%上昇して一時10,362米ドルに達した。しかし、新型コロナウイルスの影響が世界経済全体に波及し始めると、3月12日(ブラックサーズデイ)に1日で50%急落した。この動きはセーフヘイブン(安全な避難先)として機能するというビットコインのナラティブを傷つけた。また、暴落後に米国S&P500の相関関係は過去最高水準に強まっており、ビットコインがリスクオフ資産ではない事を示している。

オープンファイナンスの領域では、第1四半期にボラティリティが増加したため、分散型取引所(DEX)の取引量が急増した。上位DEXプロジェクトのトークンの時価総額加重インデックスは20.5%上昇している。代表的な2つの融資プロトコルであるメイカーとコンパウンドの未払いの融資額は年初来4,000万ドル増加し、2月に1億8,500万米ドルの過去最高値に達した。しかし、これら融資の担保資産となるイーサリアム価格がブラックサーズデイに44%暴落して契約の清算が発動し、未払い債務の約40%が消滅した。DeFi(分散型金融)プロジェクトがオラクル問題に対処する中で、リーディングプロバイダーのチェーンリンクはパートナーシップを拡大させている。多くのプロジェクトは2020年第2四半期にアップグレードを計画しているため、仮想通貨市場全体に大きな影響を与える可能性がある。

3月の急落にもかかわらず、イーサリアムやテゾスなどのスマートコントラクトプロジェクトは年初来で利益を上げている。相互運用性プロトコルのポルカドットや分散型クラウドコンピューティングのディフィニティなど、「イーサリアムキラー」と呼ばれるプロジェクトが2020年にローンチ予定であり注目されている。さらに、イーサリアムはプルーフオブステーク(PoS)モデルへ移行する予定で、取引所やカストディアンはステーキングサービスを強化している。Messariはステーキングが第2四半期に主要なテーマになると指摘している。

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