米最大手暗号資産取引所Coinbaseが、4月14日にナスダック証券取引所へ上場した。株式公開時に新株を発行せず既存株だけを売りに出すダイレクトリスティング方式を採用しており、初値は381ドル、時価総額は一時1,100億ドルを超える規模となっている。最終的には時価総額860億ドル付近を推移した。
時価総額は株式の希薄化が考慮された値であり、ストックオプションや転換社債など将来的に株式に交換されうる権利が含まれる。Coinbaseは、約1,700人の全社員に対して100株ずつを付与していたことも明らかとなった。
Coinbase株は、上場前の1月時点でナスダックのプライベートマーケットに売りに出されている。上場前に株式への流動性を持たせることで、ダイレクトリスティングの場合でも証券会社を挟まずに機関投資家との関係を構築することができるためだ。
Coinbaseの上場に際して、CEOのBrian Armstrong氏は「$COIN — it’s only the beginning」と題してブログで次のようにコメントしている。
「今日、Coinbaseはナスダックに上場します。非常に多くの仲間と5,600万人を超えるCoinbaseの利用者のお陰で、10年かけてここまで来ることができました。そしてもちろん、2008年にビットコインを世界に生み出したナカモトサトシを忘れてはなりません。我々はまだ業界の初期段階にいますが、私たちは未来や使命、コミュニティのために最高の体験を構築することに全力で取り組みます。」
Coinbaseは、暗号資産を含む全ての金融資産取引所の中で4番目の時価総額となっている。当然ながら、東京証券取引所などを運営する日本取引所グループの時価総額をも遥かに凌ぐ水準だ。暗号資産市場は、もはや株式市場と遜色ない規模にまで成長してきているといえるだろう。
現状のCoinbaseは、収益の大部分を取引手数料が占めているものの、今後はステーキングやカストディ、Coinbase Earnといったその他の事業が全体の50%以上を占めるようになるとの見解を示している。
【参照記事】$COIN — it’s only the beginning. By Brian Armstrong, Co-founder and CEO | by Coinbase | Apr, 2021
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