ブロックチェーン分析サービスを提供するChainalysisが、1年間に暗号資産が普及した国ランキング2021年版を公開した。2020年版と比較すると、上位に変動が見られる結果となっている。
Chainalysis Global Crypto Adoption Indexによると、暗号資産の普及率は1年間で世界中で880%増加したという。特に、ベトナム、インド、パキスタンといった新興経済国が発展を牽引する結果となった。
今回のランキングは、2020年6月から2021年6月のオンチェーン取引におけるデータを元に作成されている。下記の上図が2021年版、下図が2020年版だ。
2021年版では、1位がベトナム、2位がインド、3位がパキスタン、次いでウクライナ、ケニアとなっている。主要国では、米国が8位に、中国が13位にランクインした。日本は圏外となっている。
2020年版では、1位がウクライナ、2位がロシア、3位がベネズエラ、次いで中国、ケニアとなっていた(米国は6位、日本は圏外)。1年で3位までの顔ぶれが全て入れ替わる結果となっている。
Chainalysisは、上位の国に新興経済国が並んだことについて、それらの国の人々が集権型の暗号資産取引所へアクセスできないことが要因の一つにあげられると言及した。その結果、DEXをはじめとするP2P型のサービスにアクセスが集中するのは自然なことだとしている。
また、自国の政治的・経済的な情勢も影響しているのではないかと指摘した。自国通貨への信頼が揺らいだ結果、代替資産として暗号資産へ価値を見出しているのだという。
一方で、米国や中国といった主要国がランキングを下げた要因としては、国内の規制が強化されたことを理由としてあげている。特にP2P取引への規制が強化されたことが原因だとし、DEXなどでの取引量が劇的に低下したと述べた。
株式会社techtec リサーチチーム
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