ステーブルコインUSDCの裏付け資産が、現金と米短期国債のみで構成されるよう順次資産を移行することが明らかとなった。発行および管理を行うCentre社が8月22日に発表している。
Centreは、CircleとCoinbaseによる共同設立企業であり、ステーブルコインUSDCの発行および管理を行なっている。今回の発表に伴い、USDCの裏付け資産をより安定した現金(米ドル)と米短期国債のみで構成する方針を決定した。
USDCの裏付け資産は7月20日に公開され、現金(62%)や国債(12%)以外に国外の銀行が発行するCD(13%)やコマーシャルペーパー(9%)、社債(5%)、地方債(0.2%)など複数の資産で構成されていることが明らかとなっていた。これまで、米ドルに担保されたステーブルコインとして紹介されてきたものの、裏付け資産の全てが現金でなかったことから、運営に指摘が寄せられていた。
これを受けてか、このタイミングで裏付け資産を現金および短期国債のみで構成する体制へ移行することを発表。9月を目処に変更が反映される予定だという。
Centreを傘下に持つCircleは、7月8日にニューヨーク証券取引所への上場を発表しており、USDCを運営するにあたって巨額の利益を捻出していることがわかる。実態としては、顧客がUSDCを発行した際に預かった資産を運用することで、利益を出していたはずだ。
そのため、現金や国債よりも利回りの良い資産に変換しておく必要があり、USDCの所有者はこれを指摘したのが今回の背景だと考えられる。
Circleと同じくCentreを傘下に持つCoinbaseでCOOを務めるEmily Choi氏は、USDCの裏付け資産が現金からそれ以外の資産に分散されたのは2021年5月以降のことであり、わずか数ヶ月であったと主張。9月までに元に戻すと言及している。
また今後公表される6月分と7月分の報告書では、裏付け資産は分散されたままとなるが、8月分からは現金と短期国債で構成されることになると説明した。
【参照記事】USDC Reserves Composition
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