大手金融機関の出資を受けた仮想通貨取引所ErisXは2月15日、CFTC(米国商品先物取引委員会)の要請に対して、イーサリアムの仕組みと市場に関連する意見書を提出した。
ErisXはビットメインやナスダック、フィデリティなどの金融大手の21社以上から総額27.5億米ドル(時価約31億円)の資金を調達している。ErisXはCFTCの規制に準拠した仮想通貨商品取引所を目指しており、当該当局からの認可は早くて2019年第1四半期になるとされていた。
意見書では、ErisXによって、強固で透明性のある規制された金融市場の重要性が語られている。こうした金融市場は、現在機能するさまざまな金融商品において、必要不可欠な要素であるためだ。CFTCは2014年、仮想通貨を「コモディティ」として扱うことを宣言しており、2018年にはSECによってイーサリアムも有価証券でないことが宣言されている。これを受け、ErisXでは、イーサリアムを商品取引法(CEA)に準拠するかたちで提供する考えだ。
ErisXは、CFTCに準拠した商品が導入されれば、取引・カストディサービスがイーサリアムに多くのベネフィットをもたらすと主張している。規制当局が標準化する商品は、投資家からマイナーまで数多くの参加者を集め、透明性が担保された取引が可能になるなど、より強固で流動性のある市場の要素となる。
意見書では、ErisXに対するCFTCの質問も掲載されている。イーサリアムと法定通貨の交換における障害やリスク、イーサリアムのデリバティブ契約における商業リスク管理、などだ。これに対して、価格ボラティリティのボラティリティはイーサリアムに固有のものではないこと、ユースケースの拡大によって商業リスク管理も進捗していることが意見書により述べられている。
意見書の最後には、ErisXのCEOであるThomas Chippas氏の言葉でこう締めくくられている。「規制当局の情報要請に応える機会を感謝し、私たちの回答が当局がデリバティブ市場における責任ある革新と発展を促進し続けるのに役立つことを願っている。」
現在仮想通貨市場では、不明瞭な規制が原因で企業の参入に歯止めがかかっている状況だ。これにより、技術的な基盤やグローバルなユースケースが確立しにくい現状となっている。CFTC規制に準拠した製品の導入は、こうした問題払拭に向けた第一歩だ。ErisXが先日獲得した人材も、デリバティブエグゼクティブの経歴をもつ人材ややインフラストラクチャの責任者など、実績のある人物で固められているという。今後の動きに注目していきたい。
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【参照URL】Comment for Orders and Other Announcements 83 FR 64563
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