日本銀行、CBDCに関する連絡協議会を設置。概念実証の開始へ最終調整

※ このページには広告・PRが含まれています

日本銀行は3月26日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する連絡協議会の設置についての発表を行った。初回となる会合が同日に開催されており、日本銀行理事の内田眞一氏が開会挨拶を行っている。

日銀では、2020年10月に「中央銀行デジタル通貨に関する取り組み方針」を公表して以降、実証実験の検討や外部ベンダーの選定など、取り組みに向けた準備を行ってきていた。2021年2月20日には、今春にも中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始する方針であることを明らかにしており、今回の連絡協議会はその第一歩になった形だ。

日銀は、現時点でCBDCを発行する計画はないとしたものの、決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、今後の環境変化に対応できるよう準備を進めていく方針であることを発表している。こうした認識に基づき、「中央銀行デジタル通貨に関する連絡協議会」を設置する運びになったという。本協議会では、概念実証の円滑な実施に向けてその内容や進捗状況について民間事業者や政府との情報共有を図りつつ、今後の進め方について協議していくとした。

協議会には次のメンバーが参画する。

  • 金融庁総合政策局政策立案総括審議官
  • 財務省大臣官房審議官(理財局担当)
  • 日本銀行決済機構局長
  • 民間事業者:全国銀行協会、全国地方銀行協会、第二地方銀行協会 国際銀行協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会 全国労働金庫協会、日本証券業協会、日本資金決済業協会 電子決済等代行事業者協会、Fintech 協会、金融情報システムセンター

事務局は、ここまで国内のCBDCに関する取り組みを主導してきた日本銀行決済機構局に置かれ、当分の間オンラインでの開催を予定している。今回の発表に際して、日本銀行理事の内田眞一氏は次のようにコメントした。

「テクノロジーの進歩によって、将来の決済システムがより便利になっていくことは間違いないと思います。ただ、便利さと安全性は時にトレードオフの関係にあり、中央銀行や預金保険制度はこれを補完する役割を担ってきました。デジタル社会における便利さと安全性の最も良いバランスは何か、その答えの結果として、将来、CBDCというパーツが必要となる可能性があるということです。ここに、実証実験を開始すること、そしてそれと並行して関係者の皆様方と対話を行うことの意義があるのだと思います。皆様におかれては、デジタル社会における決済システム像を一緒に考え、このプロジェクトにお付き合い頂きたいと思っております。」

【参照記事】【挨拶】内田理事(中央銀行デジタル通貨に関する連絡協議会)

The following two tabs change content below.

株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec