企業でのジェンダーの多様性が、気候変動戦略の実施を早めるキーポイント。笹川平和財団とブルームバーグNEF

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公益財団法人笹川平和財団とブルームバーグNEF (BNEF)は12月2日、企業におけるジェンダーの多様性が気候変動ガバナンス、気候変動パフォーマンスおよび気候変動イノベーションに及ぼす影響についてまとめた調査レポート「ジェンダーダイバーシティと気候変動イノベーション」を発表した。レポートでは電力、石油・ガス、鉱業業界において女性取締役の割合が3割以上の企業では、気候変動ガバナンスとイノベーショを積極的に推進する傾向がみられ、両者は「企業におけるジェンダーの多様性の向上と企業による気候変動等への取り組みは相関関係にある」と結論づけている。

また、企業におけるジェンダーの多様性は、炭素排出量の削減に直接寄与しないが、脱炭素に寄与するデジタル関連プロジェクトに投資をしている傾向が高いことが判明した。一例として、女性取締役の割合が多い石油会社は、脱炭素化戦略を策定していることを挙げている。さらに、これらの業界で、女性が取締役を務めるイノベーションチームでは、ベンチャーへの投資や、革新的な商品の開発、技術調査、研究開発プロジェクトを生み出している傾向がみられた。

BNEFは「ジェンダーの多様性に関する開示を増やし、その定義を統一化していくことは必要不可欠。これにより、企業や金融市場がジェンダーの多様性と業績の相関関係を分析する土台を作ることができる。企業は業績目標や気候変動目標と同様に、ジェンダーの多様性に関する長期目標の設定を検討すべき。また、ただ目標を設定するだけでなくコミットをすることで、金融市場は企業の戦略の方向性や取り組みを適切に評価することが可能となる」と述べている。

笹川平和財団も「ブルームバーグ社によると、女性役員の占める割合が30%以上の企業の数は、この10年間で2%から16%に増加し、はっきりとしたトレンドを作っている。このようなトレンドを推進していく事は重要で、意思決定権のある役員レベルのみでなく、雇用者全体に占める女性の割合、中間管理職の女性の割合も含めて女性の活躍がさらに進んでいくことを期待する」とコメントした。

BNEFは「法規制や開示義務は、ジェンダーの多様性や気候変動に関する開示を向上させている。2011年以降、EU加盟国のうち11ヶ国が企業の取締役会に占める女性の割合における法的な目標の導入と自主的な施策を採用したことで大きく前進した。一方、アジア各国はジェンダーの多様性の開示と実績の双方において遅れをとっている」と付言している。

【関連サイト】ブルームバーグ

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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