ブルームバーグは日本時間の9月18日、ウェブベースのデータ・マーケットプレイス「ブルームバーグ・エンタープライズ・アクセス・ポイント」から提供するサービスであるオルタナティブ・データが拡大、60社以上のサード・パーティ・プロバイダーのデータの提供を開始すると発表した。データ・ライセンスを利用する顧客はブルームバーグのデータセットに加え、 集約されたオルタナティブ・データの一覧にアクセスすることが可能となる。2019年2月に同社がオルタナティブ・データの提供を開始して以来、 エンタープライズ・アクセス・ポイントでオルタナティブ・データを提供するプロバイダーの数は約3倍に増加しており、同社は「マーケット環境に関するインサイトを提供する、他に類を見ないサービス」と自負している。
収束の見えないコロナ禍で、投資家にとってオルタナティブ・データの重要性はかつてなく高まっている。同社のエンタープライズ・アクセス・ポイントは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連したデータセットをはじめ、バイオ技術や製薬、立ち退きや担保権執行などのライフイベント、地政学的リスク、地域ごとのインターネット使用率、社会的地位スコア、テクノロジーのトレンドの特許データや企業ブランド力の低迷といった要素も網羅している。ブルームバーグが提供する従来のファイナンシャルデータとともに、幅広いオルタナティブ・データに直接アクセスできることは、投資判断にとって重要な材料となるだろう。
ブルームバーグと協業するマリトレースは、世界の7500の港を往来する5万以上の商用船舶の動きに関するデータを提供、衛星や地上のレシーバーを介して、約160万のメッセージを世界中の船から受信する企業だ。今回の拡大について、マリトレースは「データ・プロバイダーにとってもデータ使用者にとっても、 余計なストレスや障害がなく、 投資家へデータ提供するためのシームレスで効率的な方法」とする。世界中の夜間光データをトラッキングして経済活動の変化を示す指標、特にGDPの測定に関するものを経済学者や地球観測の科学者とともに開発したクミアナリティクスも「ブルームバーグのデータサービスは投資家に対してより鮮明な全体像を最善の形で提供しており、非常に多くのユーザーにリーチできる」とブルームバーグの施策を推している。
ブルームバーグは今年5月、 エンタープライズ・アクセス・ポイントのデータセット・クリエーター機能やセルフサービス型マーケットプレイス機能といった、機能性を大幅に改善したアップグレードを発表。 データ・マーケットプレイスはクリック操作で購入できるオプションを備え、 データ・ライセンスを利用する顧客は複雑なデータセットをより簡単に検出、アクセスできるようになる。併せて、マーケットのボラティリティやリモートワークの環境でデータに対する需要の増加を見据え、エンタープライズ・アクセス・ポイントもアップグレードさせた。同社は「シームレスなデータアクセスと業務へのデータ活用ができるため、 価値創造にかける時間の短縮にも繋がる」とアピールしている。
HEDGE GUIDE 編集部 投資信託チーム
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