Hyperledgerなどの開発を手がけるLinux Foundationが、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書をブロックチェーンで管理するためのネットワークを6月10日に発表した。IBMやBlockchain Labs、AOKPassなどが参画を表明している。
Linux Foundationにおける取り組みの1つであるLinux Foundation Public Health(LFPH)は、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書をブロックチェーンで管理するための新たなプロジェクト「Global COVID Certificate Network:GCCN」を発足させた。現状の証明書にはいくつかの課題が存在しているという。
具体的には、「他国で発効された証明書の信憑性を担保することができないこと」「政府が提供する証明書の管理システムが複雑で操作しづらいこと」などをあげている。
これに対してGCCNでは、全世界で共通のシステムを基盤を開発することで、プロセスの簡素化を図るという。また、証明書データをブロックチェーンに記録・管理することで、国に依存せずに信憑性を担保することができるとしている。
GCCNでは、「ワクチン接種」「感染からの回復」「検査結果」の3つのユースケースに適用される証明書をサポートするという。紙とデジタルの両方の形式に対応するといい、プロジェクトに参画している政府と関連団体で全て受け入れられる予定だ。
オープンソース化されていることが特徴であり、将来的にはGCCNの直接的な参画団体以外にも広く普及させることを目指している。
IBMのEric Piscini氏は、「本プロジェクトが全世界で機能することで、各国が経済を復興させ国境の行き来を再開することができると考えています。証明書の所有者がいつでもどこでも証明書を使用できるように、レジストリを信頼する必要があります。IBMは、歴史的なこの重要な時期に、本イニシアチブでLFPHと協力できることを嬉しく思います。」
LFPHは、以前より新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのプロジェクト「COVID-19 Credentials Initiative(CCI)」を立ち上げ取り組んできた。本プロジェクトには、CISCOやIBM、Tencent、ConsenSysなどが参画している。
【参照記事】Linux Foundation Public Health creates the Global COVID Certificate Network (GCCN)
株式会社techtec リサーチチーム
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