大手暗号資産取引所バイナンスが10月12日、BSC(Binance Smart Chain)に特化した10億ドル規模のファンドを組成したことを発表した。BSCのメインネットが公開されたタイミングで、すでに1億ドル規模の資金を費やしていたが、今回はその10倍の額となっている。
前回のファンドでは、40以上のプロジェクトに最大100万ドルの初期資金の提供やハッカソン、助成金プログラムなどを行ってBSCのエコシステム強化に努めてきた。
BSCはゲーム、ソーシャルネットワーキング、金融サービスなどの分散型の世界を一般の人々にもたらし、WEB3.0の世界の認知度を高めることを目指している。バイナンスはこれに対応し、BSCのみならずブロックチェーン業界全体の発展を推進するために、業界最大規模となる10億ドルのファンドを発表した。
この10億ドルのファンドは、それぞれ1億ドルの「人材育成」と「流動性インセンティブプログラム」、3億ドルの「創業支援プログラム」、5億ドルの「投資プログラム」の4つに分類される。
「人材育成」では、最先端のブロックチェーンイノベーションの研究開発支援など、人材開発に取り組むようだ。ブロックチェーンの導入を牽引する、暗号資産業界出身のプロフェッショナルを育成することを目標としている。
「流動性インセンティブプログラム」では、条件に当てはまる特定のプロトコルに流動性報酬金を提供し、投資家と暗号資産市場との間のコンプライアンス関係を発展させることが目的だ。
「創業支援プログラム」では、ファンド資金を既存の主な開発プログラムの支援など、BSCのエコシステムを強化されるために使用するという。
「投資プログラム」では、分散型コンピューティング、ゲーム、メタバース、バーチャルリアリティ、人工知能、金融サービスなどが対象となる。BSCに限らず、すべてのブロックチェーンインフラをサポートするようだ。今回の領域の中では最も大きい5億ドルの資金が費やされることから、メタバースなどの注目トピックが対象となっている。
なお、各プログラムの詳細は今後数週間のうちに発表されるようだ。
【参照記事】Binance Launches $1B Binance Smart Chain Fund to Reach One Billion Crypto Users
株式会社techtec リサーチチーム
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