GMOインターネットグループ傘下の米GMO Trustが発行及び管理する世界初の円建てステーブルコインGYENが、暗号資産取引所最大手Binanceへの上場を果たした。5月12日より取り扱いが開始されている。
GYENは、米国銀行法規制に準拠した世界初となる日本円連動のステーブルコインだ。日本国内居住者は販売対象外となっているものの、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)による規制のもと既に米国内での販売が開始されている。
今回のBinanceへの上場に合わせて、GMO TrustのWebサイト上でGYENを法定通貨と1対1の交換レートで発行・換金できるようになった。また、Binanceではビットコイン(BTC)やTether(USDT)などと取引することが可能となっている。
GYENの担保資産は資産管理企業のZero Hashによって管理されるだけでなく、毎月完全に法定通貨によって価値が裏付けられていることを外部の公認会計士が監査するという。
GMO TrustでCEOを務める中村健太郎氏は次のようにコメントしている。
「バイナンスは、暗号資産取引の先駆者として、ブロックチェーンエコシステムに革新的なソリューションを構築してきました。世界で最も取引されている通貨・ペアの一つである日本円をデジタル化し、この資産をバイナンスの法人および個人ユーザーのエコシステムに提供することは、暗号資産が主流になりつつあることを象徴していると考えています。」
なおBinanceでの取り扱いが開始した直後、一時的に取引が中止される事態となった。原因は、GYENに大きな価格変動が発生した点にあるという。GYENはステーブルコインのため大きな価格変動は発生しないよう設計されているが、一時的に価格が高騰する事態になってしまった。
現在主流となっているUSD Coin(USDC)やTether(USDT)といったステーブルコインは、全て米ドル建てで発行されている。ステーブルコインの取引で利益をあげるには、1ドルより下回っている時に買い入れ、1ドルを上回った時に売り出すのが基本だ。
GYENは、1GYEN=1円に連動するよう設計されているものの、米国居住者が米ドル建てのステーブルコインと勘違いしたことで、1ドルより下回っているから買い入れよう、という作業を大量に行なった可能性が指摘されている。その結果、1GYEN=1円を大きく上回る価格がついてしまったということだ。
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