スペイン銀BBVAと米フィフスウォール 不動産業界の脱炭素化技術向け投資で協業

スペイン大手ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(ティッカーシンボル:BBVA)は7月6日、不動産・建設業界の脱炭素化に資するテクノロジーへの投資に向け、米ベンチャーキャピタルのフィフスウォールと提携したと発表した(*1)。気候テックに関する知見を得て、独自の助言サービスの提供を図る。

国際エネルギー機関(IEA)と国連環境計画(UNEP)によると、不動産・建設業界は燃料の燃焼や供給された電気・熱の使用にともなう「エネルギー起源二酸化炭素(CO2)」排出量の約40%を占めているという(*2)。

同業界が気候変動の大きな要因のひとつとなるなか、BBVAは不動産の脱炭素化を対象としたフィフスウォールの気候ファンドを通じ、建物のライフサイクル全体の脱炭素化ソリューションを提供する企業への投資を行う方針だ。

BBVAは同ファンドを通じた投資により収益性を求めることに加え、地球温暖化対策となるディスラプティブ(創造的破壊をもたらす)な技術に触れ、気候テック向けのエクスポージャーと知識を有し、顧客にユニークなアドバイザリーサービスを提供する狙いもある。

また、原材料の調達から建設、オペレーション、取り壊し・リサイクルにいたる建物のバリューチェーン全体において、カーボンフットプリント(#1)を削減する可能性は大いにあり、サーキュラーエコノミーを推進できると見込む。

BBVAは脱炭素化とグリーンテクノロジーの2分野への投資を優先する。4月19日には炭素回収などの気候変動対策・脱炭素化ソリューションを提供する革新的な企業に投資する、2,000万ドル規模のベンチャーキャピタルを立ち上げた。万ドル規模のベンチャーキャピタルを立ち上げた。

フィフスウォールの気候ファンドは、原材料やロジスティクス、サプライチェーン、建設、エネルギー効率化、冷暖房、水マネジメントなど、建物のライフサイクルの各ステージにおいて、不動産業界のネットゼロへの移行をサポートする企業へ投資を行っている。

フィフスウォールは16年に創業し、約30億ドルの運用資産残高を誇るグローバル不動産テックに特化した最大級のベンチャーキャピタルだ。社会課題の解決を実践する企業として、米ペンシルベニア州の非営利団体Bラボより認定を受けた「Bコープ」でもある。

不動産関連の脱炭素化に向けた取り組みとしては、ドイツ銀行グループの資産運用部門であるDWS(ドイチェ・アセット・マネジメント)が、保有する全世界の商業用不動産の大半にスマートエネルギー・マネジメントソリューションを導入すると発表している(*3)。

(#1)カーボンフットプリント…商品・サービスのライフサイクルの各過程で排出された温室効果ガス(GHG)の量を追跡し、得られた全体の量をCO2量に換算して表示すること。

【参照記事】*1 BBVA「BBVA and Fifth Wall Climate Fund to invest to decarbonize the real estate
【参照記事】*2 UNEP「2021 Buildings-GSR – Executive Summary ENG.pdf
【関連記事】*3 DWS(ドイチェ・アセット)、スマートエネルギーマネジメント導入

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フォルトゥナ

フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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