アクサIM、2019年度スチュワードシップレポートを公表

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環境・社会・ガバナンス(ESG)要因を投資のプロセスに組み入れる責任投資(RI)について、仏運用大手のアクサ・インベストメント・マネージャーズは、「この10年はRIが注目を集めてきたが、次の10年は環境と社会を中心に幾つかの分野において “移行(トランジション)の 10年”になる」と指摘している。2月13日に公表した「2019年アクティブオーナーシップおよびスチュワードシップに関するレポート」に基づく見解で、同社は同年に217の発行体とエンゲージメント(投資対象企業との建設的な対話)を行い、6016の株主総会に投票、6万4439の企業決議に投票した。レポートでは、2019年にエンゲージメントを行った217の発行体の詳細と、当社の取り組みおよびそのポイントを明確にしている。

エンゲージメントの40%以上は気候変動に関するものだった。同社のインパクト戦略・責任投資のグローバル統括責任者のマット・クリステンセン氏は「今後10年は、世界的な課題を解決する上で、考え、意気込み、要望を具体的な行動に移していくため、投資および企業コミュニティーの能力が問われる。 このように企業の行動を促すことで、企業は、株主、ステークホルダー、そして社会全体に対して長期的な価値を創造し続けられる」と、“移行の10年”の方向性を示唆する。

状況を踏まえ、同社のスチュワードシップ・チームは2020年の注目分野として気候変動、生物多様性の喪失、ダイバーシティ、公衆衛生を挙げる。気候変動では、運輸業界などTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース) フレームワークの受け入れが遅れている産業の企業へのエンゲージメントに注力することで、機関投資家の気候変動アクション・イニシアチブである「Climate Action 100+」への積極的な関与を継続する。

生物多様性の喪失に対しては、エンゲージメントを強化する。 企業に対して、生物多様性や種の絶滅に関連した企業行動をさらに注視しかつ開示するように働きかけることで、投資先企業および広範な市場でベストプラクティスを促進していく。ダイバーシティには、「企業の事業分野や事業計画の枠を超えたダイバーシティ」の推進を目指す。また、一部の市場では、ダイバーシティの水準を高めたり、ダイバーシティ政策の拡大も促していく。

公衆衛生に関しては、発展途上国での医薬品のアクセス改善に関するランキング「Access to Medicine Index」の外部審査委員会における唯一の投資家代表として、公衆衛生問題へのエンゲージメントを強化する。

【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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