新型コロナウイルスは、欧米では拡大ペースを落としているが、ブラジルでの感染拡大、さらにこれから冬季を迎える南半球での影響が懸念される。アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社は「パンデミックとの戦いは、世界経済に莫大なコストをもたらす。医療機関、政府、金融機関、企業が危機に対処し、危機から回復するためには数千億ドルを必要とする」と経済的なダメージを予測する。
国際通貨基金(IMF)によると新型コロナ危機による2020年から2021年にかけての世界のGDPの累積損失額は約9兆ドルになり、日本(20年の予想値約5.41兆ドル)とドイツ(3・98兆ドル)の合計値よりも大きくなる可能性があると指摘されている。
アクサIMは、長期化するコロナ禍の影響に対して、「COVID-19 bonds(コロナ債)」に注目する。「機関投資家は、資本市場を通じた資金調達の利用可能性と資金調達へのアクセスを確保しており、回復に重要な役割を担う。急速に進展する危機における課題は、資本が最も必要とされる場所と時期に流れるようにすることだ」。
この課題に対する市場の対応の一つとして浮上しているのが新型コロナウイルス対策への資金調達のための債券、コロナ債だ。新しく生まれたばかりだが、アクサIMはグリーンボンドやソーシャルボンドと同様、インパクトのある起債の新しい領域と見なす。「コロナ債は感染拡大が引き起こす、現在および将来の社会的課題の解決に貢献するだろう」と予測している。
同社は感染拡大との闘いを支援するために、コロナ債に5月19日時点で約2憶3000万ユーロを投資している。また、発行体が調達資金をどのように使用しているかについて、発行体からの透明性を期待する投資フレームワークも確立。さらに、結果とインパクトの測定に関するコミットメントも求めていく。結果、コロナ債は、ソーシャルボンドやサステナビリティボンドの成長の後押しにも役立つ可能性があると同社は考えている。
【関連サイト】アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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