アポロ、トタルから1.7GWの太陽光発電と300MWの蓄電池プロジェクト持分の50%取得。エネルギー転換推進

米投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントは12月4日、仏エネルギー大手トタル・エネジーズからテキサス州の太陽光発電およびバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)プロジェクト持分の50%を取得することで合意したと発表した(*1)。取引は2024年第4四半期に完了する見込みである。

アポロの関連会社が運用するファンドを通じて取得する。トタルはポートフォリオの50%の持分を維持し、Danish Fields、Cottonwood、Hill Solar Iなどの資産の運営を継続する。

同プロジェクトは、テキサス州ERCOT(#1)エリアの戦略的立地にある約2ギガワット(GW)の太陽光発電およびBESS資産を含む。総発電容量1.7GWの3つの太陽光発電プロジェクトと、総発電容量300メガワット(MW)の2つの蓄電池プロジェクトで構成される。

アポロのパートナーを務めるブラッド・ファイアスタイン氏は「当社のクリーン・トランジション戦略により、エネルギー転換の最前線で活躍するトタルの長期的な資本パートナーとなる。トタルのインテグレーテッド・パワー事業の成長とキャピタルリサイクル(#2)を支援することができる」と述べた(*1)。

過去5年間で、アポロが運用するファンドは、エネルギー転換とサステナビリティに関連する投資に約400億ドルを投じた。洋上および陸上風力、太陽光、蓄電、再生可能燃料、電気自動車(EV)、脱炭素化を促進する幅広い技術を含むクリーンエネルギーおよびインフラ関連企業やプロジェクトを支援してきた。

23年には、クリーンエネルギーおよび持続可能な産業への移行を目指す企業への投資を目的とした、40億ドル規模の投資戦略であるApollo Clean Transition Capital(ACTキャピタル)を立ち上げた。さらに、エネルギー転換と産業の脱炭素化への融資と投資に重点的に取り組むサステナブル投資プラットフォームもローンチしている。

アセットクラス全体で、アポロは27年までにクリーンエネルギーおよび気候変動対策への投資として500億ドルの投資を目標としており、30年までに1,000億ドル超の投資機会があると見ている。

(#1)ERCOT…米国の独立系統運用者(ISO)であり、テキサス州の約90%の地域の系統運用を行う。

(#2)キャピタルリサイクル…プロジェクトが安定期に入ったところで、開発事業社が機関投資家からのエクイティ投資を募り、投下資本をいったん回収する仕組み。

【参照記事】*1 アポロ「Apollo Funds Acquire 50% Stake in 2 GW Texas Solar and BESS Portfolio from TotalEnergies

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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