LeapFrog、インパクト投資ファンドで1,700億円調達。低所得者を支援するヘルスケアや金融、気候変動関連企業などへの投資拡充

プライベート・エクイティのLeapFrog Investmentsは11月26日、同社が運用するインパクト投資ファンドであるLeapFrog Emerging Consumer Fund IVなどで合計11億5,000万ドル(約1,700億円)を調達したと発表した(*1)。低所得者を支援するヘルスケアや金融サービス、気候変動関連企業などへの投資を拡充する。

Fund IVの中核的投資家(コーナーストーン投資家、#1)として、シンガポール政府系ファンドであるテマセクに加え、AIA、プルデンシャル・ファイナンシャルなどの機関投資家、欧州投資銀行(EIB)、米国国際開発金融公社(DFC)などが参加した。三井住友信託銀行、イーライ・リリー、フォード財団なども出資した。

同ファンドは既存投資家からの強力な支援に加え、新規投資家からも多額の資金を調達した。シンガポール、中国、日本、オーストリア、ノルウェー、オマーン、トルコなどの新たな市場において投資家基盤を拡大させている。LeapFrogは調達した資金を元手に、さまざまな地域でインパクト投資を推進していく方針だ。

LeapFrogは2008年に設立され、Profit with Purpose(パーパスの伴った利益の追求)を投資理念とするインパクト投資家である。アジアやアフリカをはじめとする成長著しいグローバル市場のヘルスケア、金融サービス、気候変動領域において、主に低所得者層を対象に事業をおこなう企業へ投資する。

Fund IVは、より良い生活を築くために1億人の新興国の消費者および生産者を支援することを目的とする。アジアとアフリカの5社は投資しており、いずれも過去1年間に大幅な収益拡大を達成した。5つのスタートアップ企業を通じて2,400万人にベネフィットをもたらし得ると見ている。

Fund IVの最初の投資先であるRedcliffe Labsは、インド最大の低コスト診断事業者の1つに急成長を遂げた。76のラボと1,600以上の採血センターからなる分散型ネットワークを活用し、インドの患者を対象に2,000万件以上の検査を実施している。

2番目の投資先であるSun Kingは、世界最大のオフグリッドソーラーファイナンス企業である。1億1,800万人に太陽光発電へのアクセスを提供し、バイオマス、灯油ランプ、ディーゼル発電機に支払うはずだったエネルギー費用として、低所得世帯に72億ドル以上の節約をもたらした。

その他の投資先のいずれも、新興市場で革新的な技術やサービスを提供する企業だ。

LeapFrogは、フォーチュン誌の世界を変える企業リストのトップ企業の1つとして2度ランクインしたほか、フィナンシャル・タイムズ(FT)と国際金融公社(IFC)が創設したTransformational Business Awardsでは初のPioneer in Transformational Impactに選ばれた。

(#1)コーナーストーン投資家…公募に先立ち引受を行う機関投資家。

【参照記事】*1 LeapFrog Investments「LeapFrog Investments Raises $1.15bn in Fourth Fundraising Cycle

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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