米国の大手求人会社Indeedは3月28日、仮想通貨・ブロックチェーン求人情報掲載に関する調査を公開した。調査の結果、過去1年間で「blockchain」、「cryptocurrency」、「bitcoin」という単語で求人を掲載している上位10社の中に、唯一の金融機関として米大手の銀行であるJPモルガンがランクインしていた。
JPモルガンのCEOジェイミー・ダイモン氏はかねて、ビットコインに対して批判的な人物として知られている。同氏はビットコインについて「詐欺」や「どうでもいい」と語る一方、ビットコインの基盤技術であるブロックチェーンを高く評価していた。JPモルガンでは、ブロックチェーンはもちろん、適切な規制が敷かれているという前提がある限り仮想通貨を支持することを表明している。
JPモルガンを超える求人募集をしていた企業として、IT分野からはマイクロソフト、IBM、Consensys、Ciscoがランクインし、コンサルティング分野からはKPMG、Deloitte、Accenture、EY、Conduentの5社がランクインしている。1年以上にわたり採用動向を見守ってきたindeedの経済学者Andrew Flowers氏は、マネーと関連性のある仮想通貨について金融業界からの求人が少なかったことに注目すべきだとした。また、仮想通貨・ブロックチェーンの求人検索数よりも、企業側による求人募集数が初めて上回ったと述べている。
Andrew Flowers氏は、2018年2月から2019年2月にかけて100万人あたりのブロックチェーン求人検索のシェアが67%減少し、ビットコインをはじめとする仮想通貨の価格と求人検索数は相関していると指摘した。2016年以降で見ると、ブロックチェーンに関する求人のサイト掲載数は4,086%増加し、求人検索数も553%増加している。直近での仮想通貨価格が低下しているにも関わらず、企業側の募集求人数は増加している理由には、銀行のような仲介者を介さない価値移動を可能にする方法を模索している大企業の増加があると同氏は述べている。
仮想通貨・ブロックチェーン市場では、大企業や伝統的な金融機関の参入や法規制による取り扱いのルールが明確になり始めている。米国証券取引委員会(SEC)では仮想通貨・ブロックチェーンに知見のある人材を求めている他、Facebookは自社のキャリアサイトでブロックチェーンに精通した人材を募集している。既存の金融と交わることにより、仮想通貨はどのように取り扱われていくのか。今後の動向に注目だ。
【参照記事】Blockchain Job Searches Remain High, While Bitcoin, Cryptocurrency Searches Fall

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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