茨城県つくば市は8月28日、全国のIoTやAI、ビッグデータ解析、ロボット等の新技術に関する企業や研究機関、教育機関等を支援する「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」の一環として行われたコンテストの最終審査で、ネット投票の実証実験を実施した。ネット投票システムの開発に携わった株式会社パイプドビッツは8月29日、同社サイト内で実験が成功したと公表した。
今回の実証実験は、マイナンバー情報をブロックチェーンに書き込み、本人確認のための電子署名をすることで、電子署名技術によってなりすまし投票や二重投票を防ぐことや投票内容を他人に知られずに行うため投票の内容の暗号化と暗号の解除も問題なくできるか、ブロックチェーンによって投票データの消失やデータの非改ざん性を証明することを目的としていた。
「つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業」とは、日本政府が推進しているサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を目指す政策「Society 5.0」に向かって活動する企業や研究機関、教育機関等を支援するつくば市の取り組みだ。
ネット投票にはイーサリアムのブロックチェーンが使われた。イーサリアムとは、分散型アプリケーションであるDAppsやプログラムをブロックチェーンに書き込むことで仲介者不在の取引を自動化するスマートコントラクトに利用されるプラットフォームだ。
例えば、イーサリアムのブロックチェーンについては、発展途上国に継続的な支援を行う世界銀行が資金調達のために、イーサリアムのブロックチェーンを利用した債券を発行し、1億1千万豪ドルを調達するなど、活用されている。今回の実証実験成功は投票の仕組みに変化をもたらす可能性がある。ブロックチェーン技術がどのように広がりをみせるか、引き続き、動向に注目だ。
【参照記事】マイナンバーカードとブロックチェーン技術を用いた国内初のネット投票システムを構築 ~ つくば市で行われたネット投票の実証実験に成功 ~
【参照記事】つくばSociety 5.0社会実装トライアル支援事業
【参照ページ】第5期科学技術基本計画
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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