BITPointに上場したトロンとは?特徴や提携先、将来性を解説

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今回は、新たにBITPointに上場したトロンについて、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. TRON(TRX)とは?
  2. TRON財団設立者のジャスティン・サン氏とは
  3. TRONの特徴
  4. TRONの承認システム
  5. TRONウォレット
  6. TRONとの提携先
  7. TRONのロードマップ
  8. TRONの将来性

BITPointにTRON(TRX)が上場しました。ここでは新しい通貨TRONについての基礎的な情報からどのような通貨なのかについてまとめて行きたいと思います。

TRON(TRX)とは?

TRONとは2017年に公開された暗号資産で、デジタルコンテンツに特化した分散型プラットフォームです。TRONを公開したTRON財団はシンガポールのACRAという企業規制当局の承認を得てジャスティン・サン(Justin Sun)氏が創設した非営利団体です。

現在TRONの時価総額は3,920億円程度(2021年3月13日時点)発行枚数上限は1,000億枚となっています。発行枚数は他の暗号資産と比較すると多めに発行されています。時価総額は現在トップ20に入っており、暗号資産の中では流動性の高い暗号資産と言えるでしょう。

TRONはTRONプラットフォームで利用される基軸通貨となっており、スマートコントラクトの機能を実装しているためトークンの発行を行うことができたり、Dappsの開発も可能となっています。TRONは決済通貨として使われるのではなく、エンターテイメントプラットフォーム上における個人間の売買等が主な利用用途となります。

TRONは過去イーサリアムブロックチェーン(ERC-20)の上に開発されました。2018年には独自のネットワークを構築し、イーサリアムブロックチェーンからTRON独自のブロックチェーンにメインネットを移行しています。

TRON財団設立者のジャスティン・サン氏とは

TRON財団を設立したジャスティン・サン氏は北京大学を歴史学を2011年に卒業し、成績優秀で学部長を三年勤めるほどの方でした。2013年にはアメリカのペンシルバニア大学で職人経済学を修士号を修得しています。そして2018年にはアリババの創業者であるジャック・マー氏が設立した企業家育成プログラムの湖畔大学にも在籍しており、様々な大学で勉学に励んだことが伺う経歴となっています。

大学を卒業した後はリップル研究所に採用され、中国最初の従業員として勤務していました。2013年から2016年までリップル研究所の代表と相談役に就任していました。また、2013年に中国最大のオンライン音楽ストリーミングサービスのPeiwoを企業しており、経営者としての才覚もすでに持ち合わせていました。その後2017年に分散型プロトコルのTRONを開発、発行する動きとなっています。

ジャステイン・サン氏が有名となった話題として、ウォーレン・バフェット氏とのランチ権をeBayのチャリティオークションで5億5千万円で落札したことが最も記憶に新しいのではないでしょうか。しかし、ウォーレン・バフェット氏とのランチはジャスティン・サン氏が腎臓結石だったことで実現せず、また同氏とのランチを利用して過剰宣伝したことをお詫びしたことも話題となりました。

TRONの特徴

TRONは1秒間に送受金の処理を2,000件処理する能力があると言われています。ビットコインでは毎秒5件程度、イーサリアムは毎秒25件程度ということを考えると、主要な暗号資産よりも処理速度が早く開発されています。

TRONは分散型プロトコルですので、デジタル上のデータを送信したり、保管したり公開したり自由に行うことが可能です。TRONのコンセプトには埋もれているアーティスト等を発掘できるよう応援することがあることから、特に世界のクリエイターがデジタルアートや音楽、写真、アニメ等のデジタル資産を、自由に配信を行えるプラットフォームを構築しているということでニーズが強まっています。

個人でのトークン発行が可能なため、ICOで個人が資金を調達することが可能なことも特徴です。

TRONの承認システム

TRONの承認システムは3段階に分かれています。

  1. Kafka-based technology system:中央集権のようなコンセンサスメカニズムを実装
  2. Raft-based distributed consensus mechanism:分散型メカニズムを実装させることで①の中央集権コンセンサスメカニズムからの脱却を図る
  3. POS承認システムを実装

TRONは、ホワイトペーパーでPoSとPoWの互換性も備えることを目標として掲げており、今後新たな承認システムが出てくる可能性もあります。

TRONウォレット

TRONはTRONウォレットを開発しており、AndroidとiOS両者でリリースされています。TRONウォレットは、Web、パソコン、モバイルで利用可能で、TRONを送金する際はTRONウォレットを利用すると無料になることが特徴です。

TRONとの提携先

中国最大級の音楽配信サービス企業Peiwoとの提携や、自転車シェアリングサービスoBIkeとの提携、分散型ゲームプラットフォーム「BitGuild」そして分散型SNS「steemit」を買収しており、さらには韓国大手企業サムスンとの提携を行い、サムスンが販売しているスマートフォンシリーズ「Galaxy」にTRONのサポートも追加されています。すでにビットコインやイーサリアムの機能は提供されていましたが、ここにTRONが追加されたことは大きな話題となりました。このようにTRONは海外で提携先を増やしており、TRONの利用者の増加が今後も期待されています。

TRONのロードマップ

TRONのロードマップは以下の通りとなっています。10年スパンでロードマップが計画されており、更なる開発がこれから進んでいく予定となっています。

1. Exodus(2017年8月〜2018年12月)

デジタル資産を無料で保管やアップ、配布が可能

2. Odyssey(2019年1月〜2020年6月)

著作権を保有しコンテンツ保有者がTRONをネットワーク上で利用可能とする

3. Great Voyage(2020年7月〜2021年7月)

コンテンツ提供者の管理機能の実装(報酬の支払いやサポーターの管理等)

4. APOLLO(2021年8月〜2023年3月)

コンテンツ提供者が独自にトークンを発行可能

5. StarTrek(2023年4月〜2025年9月)

TRONを利用して開発者が様々なゲームの開発を可能とし、また資金調達面でもTRONを利用して行うことが可能となる

6. Eternity

TRONの将来性

TRONは現在ではまだ課題が散見されていますが、ロードマップや時価総額からの利用者の増加を見る限りは信頼性はある程度あると判断でき、また提携先もアリババ等大手企業を中心に増加の一途をたどっていることから、価値が高いトークンとなる可能性があります。

日本でもBITPOINTで購入が可能になったということもあるため、是非このタイミングでTRONの将来性や価値について考えつつ投資を行うといいでしょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12