2017年、仮想通貨投資はビットコインが約20倍もの価格高騰を遂げたことから注目を集め、これまで投資をしたことがない20代を中心に投資ブームが訪れました。仮想通貨は、従来の伝統的な投資商品である株式投資や債券投資、オルタナティブ投資である不動産投資、金投資などと比べ、アプリひとつで投資ができる手軽さや手軽さに見合わないリターンの大きさが人気の要因でした。
こうした価格変動の大きさから、当時は「仮想通貨は儲かる」「どんな仮想通貨をもっていても寝て起きれば資産が増えている」といった声も多く、TwitterなどのSNSでは仮想通貨投資で資産が1億円以上の「億り人」が続々と生み出されるバブルが形成されました。
仮想通貨投資のブームがもたらした億り人の続出の一方、多額の損失を出す投資家も数多く現れました。以下では、仮想通貨投資で損失を出してしまった人の特徴を5つのポイントでご紹介していきます。
目次
仮想通貨で損をしやすい人の5つの特徴とは?
バブルを越え、いまやハイプサイクルの幻滅期にさしかかっていると言われる仮想通貨投資は、以前よりも初心者が損失を出しやすい投資になりつつあります。仮想通貨投資を始めたいという方はもちろん、すでに投資を始めている方もぜひ参考にしてみてください。
①仮想通貨に全財産を投資してしまう
仮想通貨の価格変動の激しさを見て、多額のリターンを得るために生活費用を含めたすべての資金を投資にあてるという方もいますが、これは避けるべきです。自身の生活費用を投資資金にするような投資スタンスは、仮に損失が発生した場合に生活が立ち行かなくなりますし、損失を取り戻すためにさらに投資するという行動をとってしまうことに繋がることも珍しくありません。
仮想通貨投資を行う人の間では知られていることですが、仮想通貨全体にとってプラスとなる情報が出回っている時でも価格が下落することも珍しくありません。こうした価格の変動が起きる原因には、市場の未成熟さを逆手にとった価格操作が行われているのではないかと言われています。仮想通貨バブル期に流行した時価総額の低い仮想通貨「草コイン」投資でも価格操作が常態化していましたが、最近では仮想通貨市場の未成熟さを逆手にとった価格操作を問題視する考えが主流になりつつあります。
ハイリスクの投資商品に自分の許容できる限界まで投資を行うのは投資ではなくギャンブルです。許容できるリスクは人によって異なりますが、投資先を分散することはリスク分散の基本です。伝統的な投資である株式投資、債権投資や不動産投資はもちろん、貯蓄にまわすことも資産運用の手段のひとつです。さまざまな資産運用がある中で、仮想通貨投資にだけ入れ込みすぎない心の余裕を持てているかをまず確認してみると良いでしょう。
②レバレッジ取引に手を出してしまう
現在、国内ではレバレッジ取引で自分の資金の25倍までレバレッジを効かせることが可能です。しかし、最近ではレバレッジ取引で生活資金を失う投資家を出さないためにも、仮想通貨取引所16社が参画する仮想通貨交換業協会(JVCEA)がレバレッジ取引の倍率に上限の設定を検討していることが報道されています。
レバレッジ取引では実際に自分が保有していない数量で取引を行うことができます。自分が保有している数量でしか取引ができない現物取引では最悪でも資産が0円になるだけですが、レバレッジ取引では資産が0円以下、つまり逆に資産がなくなった上にさらに支払いを行わないといけなくなる可能性も出てきます。仮想通貨投資はただでさえ価格変動が激しい投資ですので、自分のリスク許容度を適切に設定できない人がレバレッジをかけてまで取引を行ってしまうと、リスクだけが高い状態になってしまいます。
仮想通貨投資はいまだに未熟な市場で、価格操縦はもちろん、風説の流布による価格の乱高下が毎日のように起こっています。こうした中、初心者の方がレバレッジ取引で短期で利益をあげるにはテクニカル分析などの勉強と努力が必要になるため、まずは現物取引で着実に仮想通貨投資に慣れていくことがおすすめです。
③自分の判断でなく、他人の意見を鵜呑みに投資する
TwitterをはじめとするSNSの普及により、最近ではさまざまな情報・口コミをインターネットから手軽に収集することができるようになりました。一方で、情報の信憑性については自身で判断するリテラシーも求められるようになってきています。仮想通貨投資に関しても、さまざまな情報があふれるほど出回っており、中には信憑性に欠ける情報であっても正しい情報であるかのように伝えられていることも珍しくありません。
誤った情報を参考に投資判断をすることは非常に危険です。最低限、それぞれの仮想通貨プロジェクトの公式ページやフォーラムを確認することで、正しい情報を収集しましょう。また、何かの情報を見た際にはその情報を最初に発信したのは誰なのかについて確認し、一次情報であるかを確認するだけでも、誤った情報に振り回されることが非常に少なくなります。
これから発展していく技術だからこそ、知り合い経由で投資をすすめられる機会もあるかもしれません。ですが、そうした際でもすすめられた通貨の情報を自分で調べることが必要です。仮想通貨のプロジェクトの多くは海外を中心に活動が進められているため、一次情報は英語であることが多いですが、今では無料の翻訳ツールでも非常に高性能ですので自身で正しい情報を探しに行く姿勢を身につけることが重要です。
④売却を先延ばしにしてしまう
仮想通貨投資に限らずすべての投資で言えることですが、売却戦略を考えておくことは重要です。現在の仮想通貨は企業などで実用的なレベルで使われるケースが少なく、値動きのほとんどは投資家による売買によって発生していると言われています。よく指摘される事実でもありますが、現在の仮想通貨投資は自分が売りたいと思う価格で購入してもいいと考える誰かが現れない限り、仮想通貨投資で利益を得ることが出来ない状態です。
自身の保有する仮想通貨が高騰を始めると、毎日チャートを見るようになり、価格が下がっても「また上がるだろう」、価格が上がっても「まだまだ上がるだろう」と思ってしまう瞬間もあるかもしれません。ですが、一定方向に動き続ける投資はありません。人には自分に都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう特性があります。
仮想通貨を投資対象としてではなく日常生活で利用される通貨として考えている方であれば、仮想通貨を売却せずに持ち続けるというのも手でしょう。ですが、仮想通貨を投資として捉え利益を上げたいと考えているというのであればどの時点で仮想通貨を売却するかをあらかじめ考えておく必要があります。
⑤1,000倍以上など、過剰な投資リターンを目指してしまう
バブル期の経験から、仮想通貨に投資していると資産が100倍になるといった煽りに近い言葉がメディアで使用されることも珍しくありません。最近でもイーサリアムの開発者であるヴィタリック・ブテリン氏による「仮想通貨が今から1,000倍まで伸びることはない」という発言が物議を醸し、メディアを賑わせました。
こうした数値が実際に実現可能かどうかは誰にもわかりません。もちろん、可能性がないわけでもありません。ただし、100倍や1,000倍になるという技術はその一方で価値が下がる可能性も考慮する必要があるでしょう。保有することで権利が発生する株式とは異なり、仮想通貨は通貨に価値があると考える買い手が増え続けない限り価格が高騰することはありません。
実際に、2018年に入ってからは仮想通貨市場は縮小の一途をたどっており、仮想通貨全体の時価総額も半分以下になっています。新たな技術に投資していることを把握しながら、仮想通貨にだけ過剰な期待を抱かないことも重要です。
まずはリスクを最小限に行動してみることがおすすめ
いかがだったでしょうか。仮想通貨の価格変動の激しさを利用して、むやみに購入と売却を繰り返したり、計画もなくレバレッジをかけて取引を行ってしまうと、多額の損失を出してしまうことに繋がりかねません。ですが、仮想通貨投資は1,000円もあれば購入をすることができる手軽さも特徴の投資です。試しに飲み会一回分くらいの仮想通貨を購入して、投資に触れてみる、さまざまなニュースにふれる癖をつけてみるというきっかけにすることもできます。
今回お伝えした内容は仮想通貨投資に限らずさまざまな資産運用において有用なものです。HEDGE GUIDEでは仮想通貨をはじめ、さまざまな投資のご紹介もしていますので、これを機に資産運用について考えてみるということもおすすめです。
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